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佐高 信の「一人一話」

外相にしたかった「女優」 岸恵子

佐高 信 [評論家]
【第45回】 2016年5月9日
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 デモクラTVで『朝日新聞』記者だった早野透と「寅さんとボク」という対談をやっている。意外に好評だというが、今回は往年の名女優がマドンナだった作品について語った。

 トップバッターが岸恵子で次に若尾文子、京マチ子、そして八千草薫である。早野と私は吉永小百合と同じ1945年生まれだが、岸や若尾は私たちのほぼひとまわり上になる。

才気だけの人でもない、
美貌だけの人でもない

 岸とは雑誌で2回対談し、彼女がホストの神奈川テレビの番組に2度招かれた。

 その時のことを話していたら、早野が「だんだん不愉快になるな」と冗談まじりに言う。

 岸と最初に対談したのは集英社で出していた『BART』という雑誌で1994年である。この時は横浜の岸宅に招かれ、手料理をごちそうになった。

 その5年後、『パンプキン』(潮出版社)でやっていた私がホストの対談に来てもらったが、その時、私は「対談前記」にこう書いた。

 「『雪国』の駒子に扮した岸さんをスクリーンの中に見たのはいつのことだったか。いずれにせよ、遠い人だった。その遥かなスターを身近に感じたのは、岸さんのエッセイ集『巴里の空はあかね雲』(新潮社)を読んでからである。そこには、才気だけの人でもない、美貌だけの人でもない岸さんがいた。

 まさに体当たりの取材で書いた岸さんの『ベラルーシの林檎』(朝日新聞社)は、日本人の閉鎖性を開く見事なテキストブックだと思うが、それを読んで私は是非にと対談を申し込んだ。5年ほど前のことである。そのときは自宅に招いてもらって、手料理までごちそうになった。

 はじけるような岸さんの元気はまったく変わっていない。日本人のやわさ、愚かさを突く舌鋒の鋭さも変わっていないが、これからは日本にとどまって、この国の危うさを指摘してほしい。辛口などといわれる私より、対手に与える効果はずっと大きいだろうから」

 それに対する岸の「対談後記」がこうである。

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佐高 信 [評論家]

さたか・まこと 1945年山形県酒田市生まれ。評論家、『週刊金曜日』編集委員。高校教師、経済雑誌の編集者を経て評論家に。「社畜」という言葉で日本の企業社会の病理を露わにし、会社・経営者批評で一つの分野を築く。経済評論にとどまらず、憲法、教育など現代日本のについて辛口の評論活動を続ける。著書に『保守の知恵』(岸井成格さんとの共著、毎日新聞社)、『飲水思源 メディアの仕掛人、徳間康快』(金曜日)など。


佐高 信の「一人一話」

歴史は人によってつくられる。ときに説明しがたい人間模様、ふとした人の心の機微が歴史を変える。経済、政治、法律、教育、文化と幅広い分野にわたって、評論活動を続けてきた佐高 信氏が、その交遊録から、歴史を彩った人々の知られざる一面に光をあてる。

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