ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
起業人

即日訪問でパソコントラブルを解決
メーカーや小売り店にないサービス力
日本PCサービス社長 家喜信行

週刊ダイヤモンド編集部
【第121回】 2010年8月16日
著者・コラム紹介バックナンバー
1
nextpage
日本PCサービス社長 家喜信行
(撮影:Toshio Fukumoto)

 「修理業ではなく、接客業でありサービス業」

 パソコンの修理やトラブルを解決してくれる日本PCサービス社長の家喜信行は、この点に特にこだわり、社員に意識づけを徹底させている。

 まず、客先に駆けつける社員はネクタイとスーツを着用。ひげ、ピアス、長髪茶髪はダメ。店では、来店した客が帰るのを店の外まで出て、深々と頭を下げて見送る姿が見られる。

 「直接、お客様からご料金をいただく有償サービスなのだから当然です」

 日本PCサービスは、電話で訪問修理を希望すれば、その日のうちに社員がやって来て、パソコンのトラブルを解決してくれる。もしメーカーに依頼すれば、たいていの場合は訪問までに4日はかかる。即日訪問というスピード感が最大の特長だ。訪問するのは、冒頭の家喜のこだわりを実践する社員たち。同社の強みは素早い対応だけでなく、細かな身だしなみにも気を配る社員の存在だともいえる。

 家喜がここまでこだわりを持ったきっかけは、創業間もない頃にぶち当たったIT業界の常識だった。

 2003年7月、前職の中小企業向けパッケージソフトの販売会社を退職した家喜は、当時大阪ではあまり見られなかった、個人向けのパソコン訪問修理業を営もうと決意。前職で営業担当として積み重ねた経験を通して、家喜はパソコンの簡単な修理やインターネットの接続トラブルを解決する十分な知識を習得していた。

 コンビニの閉店跡地に店を構え、前職で3年連続トップ営業マンとして鳴らした営業力を武器に、個人宅に営業をかけた。チラシも200万枚をばらまいた。しかし、1ヵ月たっても受注はわずか4件。「頭の中には右肩上がりの、売り上げも利益も上がる計画が描かれていたが、一気に崩れた」。

パソコンに関連するサービスに
おカネを払う文化がなかった

 会社はすぐに行き詰まった。資本金1000万円はすぐに底を突き、毎日のように金策に走ることになった。

 だがこのときの家喜にとっての最大の壁は、融資を渋る金融機関ではなく、IT業界やパソコン業界を支配していた常識だった。それは「無料でなんでも提供する」というもの。その最たる例がソフトバンクのYahoo!BBだった。この頃、ソフトバンクは日本全国の至るところでインターネット接続用のモデムを無料で大量にばらまいていたのだ。その結果、多くの人には修理はもとより、パソコン関連のサービスにカネを払うという意識がなくなっていた。

1
nextpage
関連記事
スペシャル・インフォメーションPR
クチコミ・コメント

DOL PREMIUM

PR
【デジタル変革の現場】

企業のデジタル変革
最先端レポート

先進企業が取り組むデジタル・トランスフォーメーションと、それを支えるITとは。

経営戦略最新記事» トップページを見る

最新ビジネスニュース

Reuters

注目のトピックスPR

話題の記事

週刊ダイヤモンド編集部


起業人

先達の苦難の道のりには、汗と涙に彩られた無数のドラマがある。そして、起業家達の苦闘の中には明日への成功のヒントとノウハウが凝縮されている。

「起業人」

⇒バックナンバー一覧