ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
陳言の選り抜き中国情報

中国の公務員にサボり、無責任、非効率が横行する訳

陳言 [在北京ジャーナリスト]
2016年5月12日
著者・コラム紹介バックナンバー
1
nextpage

言い訳がネット上で炎上

昇進や昇給が望めない末端部署の公務員は、職務上の怠慢に陥りやすいという

 能率が悪いことは、中国の行政機関の重要な特徴の一つであり、官僚のサボタージュなどは、常に目に余る。

 たとえば、今年の4月7日、『北京晩報』は国家商標局が7ヵ月間で一度も商標登録証を発行していないため、多くの企業がビジネスチャンスを失い、重大な損失を被っていると報じた。この事態の原因について商標局職員が寄せた回答が、ネット上で失笑や怒りを買っている。

 なんと「商標登録証用の用紙がずっと届かない!」というものだったからだ。

 しばらくして、商標局の管理部門である国家工商総局は声明を出し、購買手続きの煩雑さや部門間の連携不足などが原因で、商標登録証発行の遅延が生じていることを認めた。そして、現在は商標登録証用の用紙がすでに供給され、3月28日からは時間外勤務による印刷発行を開始しており、5月末までに滞っていた前期分の商標登録証をすべての申請者に発行する見込みだと続けた。

 商標局の用紙切れは去年8月からだが、今年1月になってようやく商標局は用紙サプライヤーの入札募集を行った。この4ヵ月以上にわたる空白期間について、政府からは何の説明もない。そして、1月末に北京印刷集団有限公司が用紙供給業務を落札した。

 工商総局が初めに掲載した入札募集の告知によると、契約締結後、北京印刷集団は30日以内に初回20万枚の商標登録証を納品し、45日以内に2回目、60日以内に3回目、75日以内に最後の納品をそれぞれ行うことになっていた。つまり、遅くとも2月末には初回の商標登録証が納品されているはずであり、4月中旬までに全4回分の納品が完了していなければならない。しかし商標局の話によると、3月末にようやく用紙が納品されたとのことだ。いくら購買手続きの煩雑さや部門間の連携不足といった問題があったにせよ、これほどまでに極端な能率の悪さには驚かざるを得ない。

 今回発生した大規模なミス以外に、商標局の能率に関する問題は常に深刻であり、「申請処理の遅延や手続きの難航」で名が通っている。エージェントに料金を支払って、煩雑な手続きの代行を依頼したとしても、予定通りに商標登録証を受け取れるとは限らない。以前、ある外資企業が商標登録を出願したところ、10年たっても審査や異議申し立ての手続きが進まないばかりか、商標出願の継続手続きが行われていないため失効したとの通知を受けたそうだ。

1
nextpage
関連記事
スペシャル・インフォメーションPR
クチコミ・コメント

DOL PREMIUM

PR

経営戦略最新記事» トップページを見る

最新ビジネスニュース

Reuters

注目のトピックスPR

話題の記事

陳言 [在北京ジャーナリスト]

1982年南京大学卒。『経済日報』に勤務してから、1989年に東京大学新聞研究所、慶応大学経済学研究科に留学、博士課程終了、萩国際大学教授。2003年に帰国。月刊『経済』主筆。2010年から日本企業(中国)研究院を設立、執行院長。ダイヤモンドオンライン、『週刊東洋経済』『アエラ』『中国経済週刊』『中国経営報』などのメディアに数多くの記事を掲載。2015年日本語日刊紙『速読中国』を創刊して編集長を兼任。


陳言の選り抜き中国情報

世界第2位の経済大国になった中国は、依然として猛烈なスピードで変化している。一方、中国にはウェブ系も含めると、何千というメディアが存在し、情報が溢れかえっている。北京在住の経済ジャーナリスト・陳言氏が玉石混交の情報の中から、中国の対外関係、多国籍企業、技術革新、中国の経済政策など日本経済や日本企業に影響を及ぼす情報を選りすぐり解説する。そこからは日本のメディアが伝える中国とは、違った姿が見えてくる。

「陳言の選り抜き中国情報」

⇒バックナンバー一覧