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実例で知る! 他人事ではない「男の離婚」 露木幸彦

不倫妻、借金妻、虐待妻との離婚で困窮!
父子家庭は養育費をいくら得られたか?(上)

露木幸彦 [露木行政書士事務所代表]
【第29回】 2016年5月14日
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厚労省の統計では、親権者が父の場合、妻からの養育費の平均は月3万とのデータがあるが……(写真と本文は関係ありません)

 少々唐突で恐縮ですが、まずはこの数字をご覧ください。あなたはどんなふうに思われますか?

 「夫婦が離婚する場合、全体の16%は夫(父親)が子どもの親権を持ち、17%は元妻との間で養育費の約束を交わしており4%は今でも養育費を受け取っていて、養育費の平均は毎月3万円」(平成10年および平成23年度、厚生労働省・全国母子世帯等調査結果報告より)

 あまりにも相談の現場と乖離しているのではないか……私は首をかしげざるを得ませんでした。なぜなら、正直なところ、毎月3万円の養育費を元妻から受け取っている父子家庭はほとんどお目にかからないからです。

 これらの統計の数字はしょせんトゲも毒もない平均値に過ぎません。平均というのは当事者1人1人の積み重ねだからこそ、数字の裏に隠された個別具体的な事情も知っておいた方が理解はぐっと深まるはず。そこで今回は離婚後の父子家庭の生の声を紹介しましょう。本当に平均で3万円の養育費をもらっているのでしょうか?また離婚するまでの間、どのような工夫をしたら養育費を確保できるのでしょうか?

子ども3人を置いて家出した妻
養育費・慰謝料は不倫相手と直談判に

 「嫁に養育費を払わせることはできないものでしょうか?どうしても養育費が無理なら慰謝料でも……なんとかお力をいただきたいです」

 そんなふうに必死の形相で私のところへ相談しに来たのは坂本陽太郎さん(熊谷市在住。38歳)。夫婦が離婚し、夫が子どもを引き取り、妻から養育費をもらうというケースは圧倒的に少数ですが、陽太郎さんもその1人です。陽太郎さんは自分の手元で子どもを育てていくのだから正々堂々、妻へ養育費の話をすれば良さそうですが、「あんたより私の所得が低いから養育費は支払わずに済むでしょ!」「子どもはいらないし、会わせてくれないのも仕方ないから!」と妻は暴言の数々を吐き散らかしたようです。

 陽太郎さんは我が耳を疑わざるを得なかったようですが、過去の経緯を振り返ると、妻の言葉と態度はむしろ一致しており、さもありなんという感じです。

 「僕が『もう離婚するしかない』とあきらめたのは、何回注意しても嫁が不倫をやめようとしなかったからです。最初、嫁はすべてを認めたので、僕は嫁に誓約書を書かせたのですが、結局、男とは別れていなかったのです」

 陽太郎さんが「男と続いていたんじゃないか?」と妻を問い詰めると、妻は意味不明な奇声をあげ、何のためらいもなく家を出て行ったそうです。自分のお腹を痛めて産んだ子ども3人を置いたままで。

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露木幸彦[露木行政書士事務所代表]

つゆき・ゆきひこ/行政書士、フィナンシャルプランナー。1980年生まれ。国学院大学卒。男性の離婚相談に特化した行政書士事務所を開業し、開業から6年間で有料相談件数7000件、法律文書作成900件を達成。公式サイトは1日訪問者3300人、会員数は1万3000人と、業界では最大規模にまで成長させる。2008年よりドコモ、au、ソフトバンクの公式サイトで法律監修を担当。四半期に一度、大相談会を開催している。主な著書に『結婚貧乏~結婚してはいけない人を避ける方法』(中央公論新社)、『離婚のことばハンドブック~今すぐ解決したい人のキーワード152』(小学館)、『男のための最強離婚術』『男の離婚 賢く有利に別れるための6つの成功法則』(共にメタモル出版)などがある


実例で知る! 他人事ではない「男の離婚」 露木幸彦

昨今の離婚事情は複雑化している。夫が借金、浮気、暴力を繰り返して妻に愛想を尽かされるという「昭和型離婚」ばかりでなく、足もとでは「草食系離婚」も急増している。妻が多重債務、不倫、ヒステリーなどを繰り返し、真面目で優しい夫がそれに絶えられなくなって離婚を決意するというパターンだ。そうしたなか、離婚トラブルで悩み悶える男性が増えている。一度離婚トラブルに発展すると、男性は多くの精神的・物理的な負担を強いられる。到底納得できない理不尽な離婚トラブルに意図せず巻き込まれた場合に備えて、普段から対処法を考えておくことは必要だ。「男性の離婚相談」に特化し、数多くの相談実績を誇る行政書士の露木幸彦氏が、毎回実例を挙げながら、男性が陥り易い離婚トラブルへの対処法を指南する。読まずに泣くか、読んで笑うか――。現在離婚トラブルで悩んでいる人もそうでない人も、「他人事ではない男の離婚」について考えるための参考にしてほしい。

「実例で知る! 他人事ではない「男の離婚」 露木幸彦」

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