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オヤジの幸福論

子供の教育費でリスクを取るべきか?

後藤順一郎 [アライアンス・バーンスタイン株式会社 AB未来総研 所長]
【第53回】 2016年5月26日
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 2016年1月から少額投資非課税制度(以下、NISA)の非課税枠が年間100万円から120万円に拡大されましたが、実はさらに大きな制度変更がこの4月に実施されました。それは未成年者少額投資非課税制度(以下、ジュニアNISA)と呼ばれる新しい制度がスタートしたことです。この制度は子や孫の名義で口座を開設し、親や祖父母などがその代理人として運用を行う制度です。資金使途には何の制約もないのですが、18歳まで引き出すことができないことから、事実上は大学の入学金や授業料などに使うことを想定した制度となっています。晩婚・晩産化が進む今の時代、50代のオヤジ世代の皆様の中にも、まだまだ子供が小さく、教育資金の準備が必要な家庭も多いと思います。

 そこで、今回はこのジュニアNISAがどのような制度なのか、そこではどのように運用すべきなのかについてお話ししますが、その前にまずは教育資金がどのくらい必要なのかについて見ていきましょう。

教育資金はいくら必要なのか?

 大学の学費に関しては様々なデータがありますが、学費のみならず生活費も含めると、最も安い自宅通学かつ国立大学でも4年間で540万円程度、下宿かつ私立大学理系になると4年間で1100万円くらい必要と言われています(ともに出所:生命保険文化センター)。自宅の近くかどうか、専攻が文系か理系かによって必要なお金は変わってくるのです。一方で、多くの人は、大学の費用が相応に大きな金額になることを認識しているため、子供が小さいうちから学資保険で準備している人も多いと思います。あるサーベイでは10歳未満の子供がいる家庭では約6割の人が学資保険を活用しているようです(出所:NTTコムリサーチ)。学資保険は保険会社がつぶれない限り給付が保証されますから、抜群の安心感があります。でも、本当に大学の学費の準備手段として、学資保険だけで大丈夫なのでしょうか?

 私はNoだと考えます。なぜなら、大学の学費は長期で見ると着々と上昇しており、2000年以降のデフレ期にあっても、年平均で約1%弱のペースで伸びているからです。これは金融商品で1%のリターンが得られなければ、事実上お金の価値は減ってしまうことを意味します。学資保険のリターンは1%ほど高くない場合が多く、それ故、学資保険だけでは不十分だと考えられます。では、どうすればいいのでしょうか? 答えは資産運用で増やすことなのですが、その学費のための資産運用をサポートしてくれる制度が、ジュニアNISAなのです。

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後藤順一郎 [アライアンス・バーンスタイン株式会社 AB未来総研 所長]

慶應義塾大学理工学部 非常勤講師。1997年慶應義塾大学理工学部管理工学科卒業。97年株式会社富士銀行(現 株式会社みずほ銀行)にて、法人向け融資業務に従事。2000年みずほ総合研究所に勤務し、主として企業年金向けの資産運用/年金制度設計コンサルティングに従事。06年一橋大学大学院国際企業戦略研究科にてMBA取得。同年4月アライアンス・バーンスタイン株式会社に入社。共著書に「企業年金の資産運用ハンドブック」(日本法令 2000年)、「年金基金の資産運用-最新の手法と課題のガイドブック-」(東洋経済新報社 2004年)などがある。

 


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年金支給が70歳支給になるかもしれない。公的年金ばかりか企業年金も怪しくなっている。銀行の金利も微々たるもの。平均寿命が延びるほどに老後が不安になってくる。自分で自分を守るためにどうしたらいいのか。オヤジの幸福のために自分年金について教えます。

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