経営×ソーシャル

ネスレのマーケティング戦略には、なぜコミュニティが欠かせないか

カフェで飲むような淹れたてコーヒーをはじめ、15種類以上のカフェメニューを自宅で気軽に楽しめる、ネスレのカプセル式本格カフェシステム「ネスカフェ ドルチェ グスト」。この商品・サービス開発に、ネスカフェを愛用するユーザーの声が活かされていることをご存知だろうか。そんな愛用ユーザー約6万3700人(2016年4月現在)が集うのが、同商品の定期お届け便ユーザー向けコミュニティ「ネスカフェ ドルチェ グスト ロイヤルティクラブ」だ。

2012年5月のサイトオープンから5年目を迎えた同コミュニティは、ネスカフェのマーケティング戦略の中でどのような役割を担っているのか。ネスカフェのマーケティング戦略を実行するネスレ日本のキーマンとコミュニティの運営支援を行うエイベック研究所に話を聞いた。

ネスレ日本・マーケティングスペシャリスト 田岡凌さん、エイベック研究所・中西一毅さん

コミュニティのお客様の声を、
コミュニケーション開発やサービス改善に活用

――「ネスカフェ ドルチェ グスト」の商品開発やマーケティング戦略には、同商品の専用カプセルを定期お届け便で購入するユーザーが集う「ネスカフェ ドルチェ グスト ロイヤルティクラブ」会員の声が活用されているそうですね。

ネスレ日本・マーケティングスペシャリスト 田岡凌さん

田岡 はい、今年3月に発売した「ソイラテ」をはじめ、「宇治抹茶」「カフェオレ」などのカプセルは、コミュニティに届いたお客様の声から発見したインサイト(=消費者の本音)を元に、商品・コミュニケーション開発を進めた商品です。

 2015年9月発売の「カフェオレ」を例にお話しますと、もともとオフィスで利用する「ネスカフェ アンバサダー」限定で発売していた商品でしたが、個人のお客さまに向けて発売する時に、コミュニティの声を参考にしました。

 「カプチーノ」や「ラテ マキアート」のようなミルク系カフェメニューを作る時には、ミルクカプセルとコーヒーカプセルの2つを使う必要があります。1カプセル約55円として約110円かかるのですが、「カフェオレ」は、1カプセルにコーヒーとミルクが入っているので、安価で手軽に楽しめます。そのようなお得感がお客さまにきっと評価していただけると考えていました。

 新商品として全国発売する前に改めてお客様の声を聞きたいと考え、「ネスカフェ アンバサダーしか買えない商品を送料無料でお届けします」と紹介して、約1000名の方に買っていただき、約200名の方から感想やレポートをコミュニティに投稿していただきました。

 コミュニティに寄せられたお客様の声を見ていると、安さや簡便性はもちろん歓迎されましたが、それに加え、「ノンスイートなので甘すぎずにおいしい」という評価をお試しになった方から多数いただいたのです。特にブラックコーヒーを好んで飲んでいた方からの「甘すぎずにちょうどいい」という評価は印象的でした。そこで全国で発売する時には、1カプセルで飲めるということだけでなく、「ノンスイートなので甘すぎずにおいしい」と積極的にコミュニケーション展開することを考えました。

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事例でみる 企業×ソーシャル

ソーシャルメディアを上手く活用して、お客さまの声を聞きたい、自社のファンを増やしたい。そうしたニーズを持つ企業は少なくない。これまでエイベック研究所のソリューションを通して、自社や自社ブランドのファンづくりに成功してきた企業の事例を通して、これからの時代のコミュニティづくりの方法を探る。

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