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莫邦富の中国ビジネスおどろき新発見

中国人1000万人が注目した高知よさこいチームの奇跡

莫 邦富 [作家・ジャーナリスト]
【第279回】 2016年5月26日
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 四国は高知に「ほにや」という和雑貨のブランドがある。

 日本でも知る人ぞ知る、この「ほにや」が、中国に初上陸し、わずか4日間で知名度が0から少なくとも1000万人に認知されるまでになった。4日間でどのようなマジックを巻き起こしたのか?

博覧会開催の3週間前に出展を議論

はからずも最も目立つステージでパフォーマンスができた

 4月27日の深夜、東京の銀座で、私はほにやの泉真弓社長らと、ある展示会に出展するかどうかを議論していた。5月13日に、「雑貨の都」と呼ばれる中国浙江省義烏市で開かれる、大型輸入品展示会「2016年義烏輸入品博覧会」である。すでに開催まで3週間を切っているという段階で、初めて出展を議論し始めたのだ。

 ほにやが義烏で披露しようと考えたのは、同社が率いるよさこいチームである。高知県の観光資源であるよさこいを、中国でPRしようというわけだ。同時に、ほにやブランドの商品も展示したい。

 そして4月30日、義烏市当局に参加の可否を打診してみた。その時点ではすでに空いている展示ブースが一つもない状態だった。しかも中国も日本も大型連休に突入してしまい、ことは思うように運ばない。焦っていたところ、中国の連休が終わった5月3日、義烏市当局から緊急連絡が入った。一般のブースではなく、逆に一番注目されるところの展示スペースを確保できた、と。

 しかし、日本のゴールデンウイークはまだ続いている。ツアーの手配がままならず手も足も出せない状態が続く。ようやく連休の終わった5月8日に、義烏に赴く二十数名の名簿がまとまった。その後、日本航空などの航空会社にも協力を仰ぎ、何とか全員のエアチケットを確保することができた。

 だが、問題はまた起きた。5月12日の出発当日、ある参加者がその日の朝8時半にならないとパスポートを入手できないというのだ。なんとかフライトの数時間前にパスポートが届くという、綱渡り的進行になってしまった。

 それでも全員が大分、高知、関西、静岡、東京など日本各地の空港から無事、飛行機に乗り、義烏に到着した。

 そして5月13日、晴れて義烏の展示会会場に登場。その後は、テレビ局や新聞社、見学者から大きな注目を浴び、一躍して展示会内のもっとも美しい花となった。

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莫邦富(モー・バンフ) [作家・ジャーナリスト]

1953年、上海市生まれ。85年に来日。『蛇頭』、『「中国全省を読む」事典』、翻訳書『ノーと言える中国』がベストセラーに。そのほかにも『日中はなぜわかり合えないのか』、『これは私が愛した日本なのか』、『新華僑』、『鯛と羊』など著書多数。


莫邦富の中国ビジネスおどろき新発見

地方都市の勃興、ものづくりの精度向上、環境や社会貢献への関心の高まり…中国は今大きく変わりつつある。先入観を引きずったままだと、日本企業はどんどん中国市場から脱落しかねない。色眼鏡を外し、中国ビジネスの変化に改めて目を凝らす必要がある。道案内人は日中を行き来する中国人作家・ジャーナリストの莫邦富氏。日本ではあまり報道されない「今は小さくとも大きな潮流となりうる」新発見を毎週お届けしよう。

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