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山崎元のマネー経済の歩き方

割安なREITの二つの意味

山崎 元 [経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員]
【第142回】 2010年8月30日
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 不動産投資は資産運用の有力な一分野だ。株式投資やFXを長くやって大ガネ持ちになったという人は、あまり見かけないが、不動産による大ガネ持ちは少なくない。

 最近REIT(不動産投資信託)の指数が下落していることに興味を持った。REITの個別銘柄の評価方法も知りたいので、先日、不動産に詳しい知り合い(T氏)にレクチャーをお願いした。

 T氏は、REITを評価する際に独特な利回りに注目する。おおまかにいうと、REITの時価総額と借入金を分母として、売却損益を除いた営業利益に減価償却を足した数字を分子とする利回りだ。投資額+借入金=総資産と見た、賃貸収入事業の粗利回りに近い。

 あるマンションREITを例に説明を受けたのだが、年率化した上記の利回りは、4.1%だった。このREITは時価総額よりもやや多い借入金を持っていて、現在の配当利回りは年率5.4%だ。

 T氏によると、この銘柄は超一流のマンションをいずれも1棟単位で(区分所有権でなく)保有しており、運営主体も手堅いので、先の利回りである4.1%は「まあまあ」だという。ちなみに、この銘柄の直近の借り入れ実績は、3ヵ月物の短期金利+0.4%だ。

 オフィスREITよりも、マンションREITのほうが空室リスクが小さい(値下げすると入るし、空室化の単位がオフィスよりも小さい)こと、区分所有権よりも1棟単位で物件を保有するほうが流動性の点で好ましいこと、さらには借り入れの条件など、REITを評価する際に見ておきたい点をいくつか教えてもらった。調べてみるとREITの情報開示は意外なほど進んでいて、ネットでこれらはただちにわかる。加えて、REITが保有する個々の物件の評価額、専有面積も調べられるし、物件の住所(地図付き)も写真もホームページで調べられる。

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山崎 元 [経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員]

58年北海道生まれ。81年東京大学経済学部卒。三菱商事、野村投信、住友信託銀行、メリルリンチ証券、山一證券、UFJ総研など12社を経て、現在、楽天証券経済研究所客員研究員、マイベンチマーク代表取締役。


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12社を渡り歩いた資産運用の現場に一貫して携わってきた視点から、「資産運用」の方法をどう考えるべきか懇切丁寧に説く。投資家にもわかりやすい投資の考え方を伝授。

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