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チェーンストアエイジThe Interview

神戸物産代表取締役会長兼社長 沼田昭二
ウォルマートもマクドナルドも、世界で戦う企業は当社と同じ製販一体型のビジネスモデル

チェーンストアエイジ
【第22回】 2010年9月1日
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「業務スーパー」をフランチャイズ(FC)方式で展開し、急成長を続けている神戸物産(兵庫県/沼田昭二会長兼社長)。同社は、ローソン(東京都/新浪剛史社長)やオークワ(和歌山県/福西拓也社長)といった有力小売業と合弁会社を設立するなど、流通業界で今、最も注目される企業の一つだ。同社の「食のSPA(製造小売業)」というビジネスモデルの本質や強み、そして今後の戦略について、沼田会長に聞いた。聞き手/千田直哉(チェーンストアエイジ)

製販一体型の製造小売業を展開する稀有な存在

神戸物産代表取締役会長兼社長
ぬまた・しょうじ。昭和29年4月26日生まれ、兵庫県出身。昭和48年4月、三越入社。昭和56年4月、食品スーパー創業。昭和60年11月、神戸物産設立、代表取締役就任。平成20年9月、代表取締役会長兼社長就任(現任)。

──神戸物産は自社グループ工場で商品を製造して、FC本部として業務スーパーやレストラン、総菜店などを展開する、製販一体型の製造小売業を展開しています。まずは、このビジネスモデルに着目された経緯から教えてください。

沼田 当社は1992年、中国の大連に工場を開設して、そこで製造したわさびや梅干をアメリカやヨーロッパで販売するというビジネスを本業としていましたが、その前の80年代から実は小さな食品スーパー(SM)を2店舗展開していました。

 日本における小売業のビジネスモデルは、バイイングパワーで安く仕入れて安く販売して店を強くしていくというやり方です。早く参入してバイイングパワーを手に入れたものほど強いわけですから、後発組が同じことをやっていては勝ち目がありません。

 そこで、どうすれば継続的に成長できるビジネスモデルが構築できるかを考えた結果、製造小売業じゃなければならないという結論に至ったのです。具体的な仕組みを考え始めたのが97年ぐらいで、ビジネスモデルの構築に着手したのが99年、そして翌2000年の3月に業務スーパーの1号店をつくりました。

──すでに業務スーパーの1号店を開設した時点から、製造小売業を志向していた。

沼田 そうです。海外の強い企業を見ていると、ウォルマートもマクドナルドも、ケンタッキーフライドチキンも製販一体型のビジネスモデルです。

 一方、日本では、商品を右から仕入れて、売買差益を付加して、左に流す、というまさに“流通”業を行っています。このやり方は、企業がどんどん出店して成長モードにあるときはよいのですが、出店が止まった伸び悩みの時期にはさまざまな負の資産が一気に噴出して企業を苦境に追いやってしまうことは、これまでの歴史が証明しています。

 海外の企業を相手にビジネスをする中で、日本の商売の仕方に大きな違和感を持っていましたから、ビジネスの仕組みを根本的に変えなければならないと思っていたのです。

──現在のビジネスモデルを構築するうえで、参考にした企業はありますか?

沼田 しいて言えば、ウォルマートとマクドナルドです。とくにウォルマートとは、実際に商談をしてみて、バイヤーがメーカーの人間以上に食品加工について詳しかったことに、いちばんびっくりしました。売上高販管費率(販管費率)重視の商売も参考になりました。当時、ウォルマートの販管費率は16%ぐらいだったので小売業は、その水準じゃないといけないと刷り込まれました。だから、当社の業務スーパーの販管費率は今14%ぐらいです。

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