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「引きこもり」するオトナたち
【第34回】 2010年9月2日
著者・コラム紹介バックナンバー
池上正樹 [ジャーナリスト]

本当に心療治療が必要な人はどれくらい?
日本に蔓延する“病気になりたいシンドローム”

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 前回、当連載でも取り上げたネットメディア『ニコニコ動画』の「ニワンゴ」取締役・西村博之(ひろゆき)氏との生トークは、予想以上の反響があった。その中で、途中、場外から飛び入り出演して、独特の存在感を示していたのが、心療内科医の岡田聡先生だ。

 ご本人の希望により、仕事先はAクリニックとしか明かせないが、実は岡田先生は、中継会場のオーナーでもあり、この日、都合の悪かったスタッフの代わりに管理立会人として、たまたまスタジオの傍らで話を聞いていたらしい。ところが、「あそこに70年代の人がいるから…」と振られてしまったので、つい話をしてしまったのだという。

 そんな岡田先生の話が大変興味深かかったので、後日、改めて引きこもり問題についてインタビューしてみた。

教師に増えている精神疾患
原因は「生徒との関係性」だけではない

 岡田先生が開業する2つの心療内科クリニックに訪れる外来患者は、6割強が神経症圏だという。ちなみに、残りの2割が躁うつ病圏、1割が統合失調症圏、1割が特定不能という内訳で、この特定不能の人を含めると、神経症圏は7割に増える。この中には、初診時に疾病未満者として帰された人は含まれていない。

 外来者の年齢層は、高校生(高校生以下の方は以前は思春期外来として引き受けていたが、現在は他院へ紹介しているため)から80歳代までで、中核は、20~40歳代が占めるという。

 中でも目立つのが、小学校から高校までの学校教師。一時期、校長先生だけでも、同時並行で4人診ていたという。

 また、若い世代では、親が教師という人が多かったらしい。

 「子供にしてみると、幼少のころから、ずっと先生しかいない環境というのは、やはり特殊。一方、教師も、本人が小学校へ入学して以来、学校という社会しか知らない。それに、学校はいま、いろいろな形で、社会の矛盾の象徴みたいになっているのではないか」

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池上正樹 [ジャーナリスト]

1962年生まれ。大学卒業後、通信社の勤務を経て、フリーに。新聞、月刊誌、週刊誌で、「心の問題」「住環境」などの社会問題をテーマに執筆。1997年から「ひきこもり」を巡る取材を始める。著書は、『ドキュメント ひきこもり~「長期化」と「高年齢化」の実態~』(宝島社新書)、『「引きこもり」生還記』(小学館文庫)など。2011年6月には最新刊『ふたたび、ここから~東日本大震災、石巻の人たちの50日間~』(ポプラ社)を上梓。


「引きこもり」するオトナたち

「会社に行けない」「働けない」――家に引きこもる大人たちが増加し続けている。彼らはなぜ「引きこもり」するようになってしまったのか。理由とそうさせた社会的背景、そして苦悩を追う。

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