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絶滅危惧種なお仕事ガイド

晩婚化、独身者の増加で採用激減!?
地味だけど“勝ち組”の一般職は生き残れるか

曲沼美恵 [ライター]
【第5回】 2010年9月2日
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 総合職か一般職か。就職を控えた学生なら、悩ましいテーマのひとつである。2年前に四年制大学を卒業したさやかさん(仮名、24歳)の選択は、一般職だった。

 「最初は総合職がいいと思っていたんです。でも、途中で、自分、なんか無理しているなと気がついて」

 勉強はよくできる方だった。ゼミでもサークルでも頼りにされ、友だちからは「バリバリ働くタイプだよね」と言われてきた。男女の分け隔てなく働ける会社で、商品企画のシゴトをする。当初は、そんな夢を抱いていた。

 ところが、だ。就職活動で各社を回り始めて、気が変わった。

 「総合職は向いていない」と思ったのである。

 「国内でも海外でも1人で転勤できますか、と言われて、やっぱり無理だなと。それよりも、自分はもっとこつこつ、地道な作業が向いているような気がしてきたんです」

 方針をぐるりと転換し、老舗メーカーの一般職に応募した。現在は、その人事部で給与・賞与の計算や社会保険の手続き、人事異動の発令、新人研修などのシゴトに携わっている。営業はもっぱら男性で、内勤は女性という、昔ながらの企業風土。地味な制服に身を包み、ひたすら机とパソコンに向かう。当初とは、業種もイメージもまったく違う。

 毎月必ずしなければならないのは、タイムカードの集計だ。

 「社員が1万人以上いますから、書類は膨大です。よし、今日は打ち込むぞという時は、机の周りにファイルを積んで、なるべく動かなくてもいいようにしてから始めます」

 「社内に出す書類って、現場の人は煩わしいだけと思っているみたいですね。でも、こちらはそれがないとシゴトが始まらない。催促すると、邪険にされることもあります」

 「日々、書類と格闘です。データの作成と集計、その確認という作業がほとんどです」

 書類、データ、確認。あまりわくわくするような言葉ではない。なので、思わず口に出た。

 「どういうところに、やりがいを感じるのでしょう?」

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曲沼美恵[ライター]

1970年生まれ。大学卒業後、日本経済新聞社に入社。2002年からフリーに。近年はビジネス誌やウェブサイトで、ルポルタージュやインタビュー、コラム等を執筆。近著に『メディア・モンスター:誰が黒川紀章を殺したのか?』(草思社)がある。仕事に関する情報はブログでも紹介中。「ニュース」より「人」に興味あり。

 


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「もう食えないかも」「このままだと絶滅」と言われる産業に従事する人々のなかにも、実は意外にしぶとく生きている人たちがいる。日本一でもなく、世界一でもない、「最後の下駄屋になること」を目指して働く職業や人々を追いかけ、「崖っぷちの中に見える希望」を探る。

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