今週は東京都議会で舛添知事が厳しい追及を受けており、メディアもその詳細な内容を連日報道しています。そこでは、都議会議員は短い会期の中で舛添知事をどこまで追い込むのか、舛添知事は辞任するのか、といった点が注目されていますが、私は都議会議員の対応とメディアの報道の双方に対して非常に大きな不満を感じています。

都議会の会期延長は簡単にできる

舛添知事追及に会期延長しない都議会の思惑東京都議会の舛添知事追及は茶番?

 それは、今の都議会がわずか2週間という短すぎる会期、つまり来週の15日(水)には閉会してしまうことです。それにもかかわらず、なぜ開会を延長しろという声が高まらないのでしょうか。

 そもそも舛添知事の政治資金問題や公費無駄遣いを徹底的に追及するには、わずか数日の質疑だけでは到底時間が足りません。それに加え、当たり前の話ですが、そもそも都議会は東京都が直面する政策課題を議論する場です。

 特に今回は、「保育園落ちた日本死ね!!!」をきっかけに東京の待機児童問題が全国的に注目されるようになった後、初めて開催される都議会です。その他にも、東京オリンピックへの対応や高齢者問題など、議論すべき政策課題は山積みのはずです。

 地方行政は二元代表制を取っており、首長と議会は対等の存在といえるのですから、特に舛添知事という二元代表の片方が都民の信頼を失って事実上機能不全に陥っている今の東京では、都議会が保育問題を徹底的に議論しなくてはなりません。

 ちなみに、都議会の会期の延長は簡単にできます。東京都議会規則の第4条に「会期は、議会の議決で延長することができる」とありますので、都議会議員の誰かが提案して、都議会の過半数が賛成すればすぐに延長できます。

 ついでに言えば、2週間という会期はそもそも短すぎます。6月の都議会というのは毎年必ずその時期に開会される“定例会”に該当しますが、同規則第3条をみると、「(会期は)通常予算を審議する定例会は六十日、その他の定例会は三十日」と定められています。今の2週間という会期は、規則に反しているとも言えるのです。