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東京23区 データで分かる区の実力

中野区――国の経済政策で人口過密地域となった「離合集散の街」

池田利道 [一般社団法人東京23区研究所 所長],小口達也 [一般社団法人東京23区研究所 上席研究員],東京23区研究所,フィルモア・アドバイザリー
【第19回】 2010年9月7日
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人口密度が最も高い中野区
カップルからオタクまで多種多様

 JRの中野駅は、新宿駅から5分足らず。副都心に近いわりには、中野区は「暮らしの場」である。

 他に、サブカルチャーの発信地として知られる「中野ブロードウェイ」もある。漫画、アニメ、ゲームなど「オタク文化」に魅了され、国内外から多くの人が訪れる。

 中野駅北口に広がる警察大学跡地には、業務、商業ビルや大学などを中心とする施設の建設が予定され、住宅都市から先端的な都市活動拠点へと変貌を遂げていきそうだ。

 この中野区には、1日あたり70.8人の人が転入してくる。そして、72.0人の人が転出していく。1日に7.7組のカップルが結婚し、1.9組が離婚する。1日に6.4人の新たな生命が誕生する。そして、6.4人がこの世を去る。

 過密都市・東京の中心となる23区にあって、中野区は最近まで人口密度が最も高いところだった(今は豊島区に若干抜かれている)。1km2当たり2万人を超える人が住む。ちなみに、23区全体の平均は1万4000人程度で、最も低い千代田区となると4000人に満たない。

 なぜ、中野区の人口が高密度になったのか。それは、“木賃ベルト地帯”の存在が大きい。「木賃(もくちん)」とは、民間家主によって経営される木造賃貸共同住宅のこと。「木賃アパート」と略称される。

 戦後、都市における低所得階層向け住宅群が、東京に木賃ベルト地帯と呼ばれる地域を形成していった。山の手通り沿線には、この木賃ベルト地帯が連なっている。山手線と環状7号線の間という言われ方もするが、まさに中野はそこに収まるのだ。

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池田利道 [一般社団法人東京23区研究所 所長]

一般社団法人東京23区研究所所長。東京大学都市工学科大学院修士修了。(財)東京都政調査会で東京の都市計画に携わった後、㈱マイカル総合研究所主席研究員として商業主導型まちづくりの企画・事業化に従事。その後、まちづくりコンサルタント会社の主宰を経て現職。

小口達也 [一般社団法人東京23区研究所 上席研究員]

一般社団法人東京23区研究所上席研究員。1978年より財団法人・東京都政調査会研究員、都市問題・自治体政策の研究に従事。87年より中央大学社会科学研究所・客員研究員、多摩地区の地域開発研究に従事。その後、フリーを経て現職。

フィルモア・アドバイザリー

2006年11月、海外機関投資家向けの独立系リサーチ会社として設立。現在は数値データのグラフ化・共有サイト「vizoo」、グラフ投稿サイト「Figit」の運営を行うほか、メディア向けにグラフを用いた特集記事等を配信。
フィルモア・アドバイザリー


東京23区 データで分かる区の実力

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