民主党代表選もいよいよ終盤となりましたが、やはりどうしても気になるのは経済政策を巡る論争の稚拙さです。
望ましい経済政策の姿
論争のひどさを明らかにするためにも、最初に、どちらが総理になるにしても本来どのような経済政策が必要かを考えてみましょう。
短期的には円高への対応とデフレの克服が最優先課題になるはずです。
そのためには、需給ギャップが20数兆円もあることを勘案すると、10兆円くらいの財政拡大が行なわれて然るべきです。また、インフレ・ターゲットを導入するとともに、日銀法を改正して日銀に目標達成の責任を負わせるべきです。デフレで実質金利が高止まりしていることを考えると、これは円高対策ともなります。それなしに為替介入を行っても、ほとんど効果はないでしょう。
中期的には、経済の活性化、財政再建、地方分権という3つの課題を同時解決することが必要になります。
経済の活性化については、法人税の大幅な引き下げが必要になります。5%という官僚的な小出しの数字ではなく、10%は引き下げるべきです。また、思い切った規制改革も不可欠です。
財政再建については、成長による増収、増税による国民負担増、政府のムダ削減が均等に貢献する形を追求しなくてはなりません。また、地方分権については、財源と権限を霞ヶ関から徹底的に引っぱがせるか、地方の首長に責任を持たせられるか(自治体の破綻法制)が重要になります。
最後に、長期的には、社会保障の問題を解決しなければなりません。何でも手厚く国が面倒をみることは不可能なので、何をどこまで面倒みるかという社会保障の体系の再整理が不可欠です。