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前頭側頭葉変性症の認知症

監修 宮永和夫
(南魚沼医療福祉センター長・南魚沼市立ゆきぐに大和病院院長)

井手ゆきえ [医学ライター],-週刊ダイヤモンド編集部-
【第10回】

認知症の原因疾患はじつに70種類以上。血管性認知症、アルツハイマー型認知症が全体の8割近くに及ぶが、40~60代の現役世代では前頭側頭葉変性症の認知症が1/4~1/3を占める。前頭側頭葉変性症では人格や行動の変化が先行して表れる。適切な投薬とリハビリで改善も期待できるかもしれない。

 温厚な人柄のIさんが認知症と診断されたのは、49歳のときだった。きっかけは無銭飲食。不安に思った家族がIさんを病院に連れてきたのだ──。

 認知症とひと口にいうが、その原因疾患はじつに70種類以上もある。血管性認知症、アルツハイマー型認知症が全体の8割近くに及ぶが、40~60代の現役世代では人格や言語機能に関連する前頭葉、側頭葉が萎縮するピック病などの前頭側頭葉変性症が4分の1~3分の1を占める。

 血管性、アルツハイマー型がもの忘れから発症するのに対し、前頭側頭葉変性症では、万引き、無銭飲食などの反社会的行為や同じ行動、言葉を繰り返す常同症、1日中なにもせず寝ている意欲低下など、人格や行動の変化が先行して表れる。記憶や方向感覚は比較的正常なので、認知症とは気づかずに発見が遅れるケースが少なくない。むしろ異常な行動が目立ち、早期ではうつ病や統合失調症と誤診される可能性が高い。

 発症原因はまだ解明されていないが、一説ではストレスホルモンが脳神経細胞を破壊すると考えられている。現時点では、抗うつ薬や興奮を静める薬で症状をコントロールするしかない。ただ最近の研究で一般に使われている抗うつ薬に、脳神経細胞の再生、成長を促す神経栄養因子の増加作用があることがわかってきた。適切な投薬とリハビリを受けることができれば、異常な行動と認知機能の改善も期待できるかもしれない。

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井手ゆきえ [医学ライター]

医学ライター。NPO法人日本医学ジャーナリスト協会正会員。証券、IT関連の業界紙編集記者を経て、なぜか医学、生命科学分野に魅せられ、ここを安住の地と定める。ナラティブ(物語)とサイエンスの融合をこころざし、2006年よりフリーランス。一般向けにネット媒体、週刊/月刊誌、そのほか医療者向け媒体にて執筆中。生命体の秩序だった静謐さにくらべ人間は埒もないと嘆息しつつ、ひまさえあれば、医学雑誌と時代小説に読み耽っている。

 

週刊ダイヤモンド編集部


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