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『週刊ダイヤモンド』特別レポート

5分でわかる英EU離脱の争点と世界経済への影響

週刊ダイヤモンド編集部
2016年6月22日
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英国でEU(欧州連合)残留の是非を問う国民投票が23日に行われる。離脱派が勝った場合、何が起こるのか。不確実な要素が多く、今後の展開を予想するのは難しい。だが、その不確実性の高まりこそが、世界経済に混乱をもたらしかねない。(「週刊ダイヤモンド」論説委員 原 英次郎)

 英国でEU(欧州連合)残留の是非を問う国民投票が、目前に迫ってきた。英国はEU加盟28ヵ国のうちGDP(国内総生産)では、ドイツに次ぐ第2位の大国である。もし離脱派が勝利したら、何が起こるのか。簡単にまとめてみよう。

いまでもEU内での特別の存在

 まず、英国とEUの関係を確認しておこう。英国はEU加盟国でありながら、一定の独自性を持つことを許されている特別な存在と言える。

 周知のようにEU内ではヒト・モノ・カネが自由に移動できる。EU内であれば、国境を超える時もパスポートコントロールはなく、貨物も自由に行き来できる。1999年には欧州単一通貨ユーロが導入されたため、EU域内では通貨を交換する必要はなくなり、金融政策もECB(欧州中央銀行)に統合された。

 これに対して、英国は単一通貨ユーロには参加していない。また人の移動の自由を保証した「シェンゲン協定」にも入っていないため、パスポートによる出入国者のコントロールはできる。もっとも、EU加盟国の国民であれば、簡単に入国できる。

 EU全体のGDPに占める英国のシェアは17%、当然ながら貿易関係も深い。英国の輸出に占めるEUのシェアは2015年で5割弱に達する。反対にEU諸国の輸出に占める英国のシェアは10%前後である(図表1)。一見すると高くないように見えるが、1国向けとしてはドイツ向けと並んで高いシェアを占める。ちなみにドイツの輸出では、米国向けと英国向けのシェアが高い。

 もう一つの特徴はロンドンのシティが世界の、そしてEUの金融センターの役割を果たしていること。中近東のオイルマネーのみならず、ロシア、中国からの資金もシティに集まり、世界そしてEUに再投資されていく。日本を始め、EUの名だたる金融機関がシティに拠点を置いている。国境を越える融資では約20%弱、外国為替取引では40%と、世界1のシェアを誇っている。

 そもそもシティは世界の金融センターとしての長い歴史を持っている。世界の共通言語である英語圏であることに加えて、金融業に従事する人材の厚みがある。さらにEU加盟国であるため、英国で金融業の免許を取ると、他のEU諸国でも活動できる単一免許制度の恩恵が大きかった。

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