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苦境の輸入車販売業界で買収攻勢
ヤナセから首位奪取を狙う革命児
ウイルプラスホールディングス社長 成瀬隆章

週刊ダイヤモンド編集部
【第123回】 2010年9月16日
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ウイルプラスホールディングス社長 成瀬隆章(撮影:Masato Kato)

 2002年、クライスラー正規販売会社の福岡クライスラーを買収。07年、フォード正規販売会社のフォーピラーズを買収。08年、フィアットやアルファロメオの正規販売会社チェッカーモータースを買収。09年、BMW・MINI正規販売会社ミュンヘンオートの事業を買収──。

 40歳の若き経営者、成瀬隆章が率いるウイルプラスホールディングスグループは、リーマンショック後の苦境に喘ぐ輸入車ディーラー業界で気を吐く新興勢力となった。経営が厳しくなっているディーラーを中心に買収と事業再生を繰り返し、目下、輸入車9ブランドを扱う。

 スマートな風貌と穏やかな話しぶり、きめ細やかな気づかい。成瀬は天性のトップセールスマンだ。大学時代にクルマの売買で起業し、在学中におよそ100台を売り上げた。卒業後は、東京でトヨタ系ディーラーに就職。そこでも全国上位で表彰される成績をたたき出した。

 3年ほど勤めた後、福岡でディベロッパー業などを営む実家が経営する中古車ディーラーを継ぐべく、地元へ戻った。ところが、古参役員と衝突ばかり。ケンカ別れ同然で会社を飛び出した。

 もともとクルマに特別な興味はなく、売るものは漬物石でもなんでもよかったのだが、ヒトとのつながりが商売を生み出す自動車ディーラーというビジネスに引き込まれていった。

 02年、自己資金をつぎ込んで、福岡クライスラーを譲り受けた。在庫資金にも苦しむようなスタートだったが、引き継いだ社員十数人を率いて、トップセールスマンの意地を見せた。

 翌年にはメーカーから優秀販売店賞の表彰を受け、その後も7年連続で受賞。現在、クライスラー国内総販売でシェアトップの25%を占める。

トップ営業マン社長の面目躍如たる事業再生
単身乗り込み早朝勉強会

 買収先が抱える業績低迷の根本原因は、ほぼ共通、かつ単純だった。「お客を大切にする」という基本が徹底されていない。ゆえに販売台数が伸びない。

 グループ入りした現場店舗に成瀬は単身で乗り込む。始業は10時だが、毎朝8時半に出社して支店長候補や営業マンとの勉強会を繰り返す。お客の心を動かすための基本的な行動を一つひとつ積み重ねることの大切さを営業マンたちに訴える。

 たとえば、試乗率にこだわる。触らないとクルマの楽しさ、輸入車が持つ文化の魅力は伝わらない。来店したお客には必ずクルマに乗ってもらう。

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