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トヨタとソフトバンクで鍛えた「0」から「1」を生み出す思考法・ゼロイチ
【第18回】 2016年7月13日
著者・コラム紹介バックナンバー
林要 [GROOVE X代表取締役]

「論理的思考」が“新しいアイデア”をつぶす?!
Pepper元開発リーダーが明かす「0」から「1」を生み出す仕事力

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ビジネスパーソンは「論理的思考」を鍛えることが必須とされています。しかし、「論理的思考」のみに偏重するがために、ゼロイチ(イノベーション)が起きにくくなっているのではないか、とPepper元開発リーダー・林要さんは言います。どういうことか?林さんの著書『ゼロイチ』から抜粋してご紹介します。

 

人間はひらめく生き物である

 人間はひらめく生き物です。
「あ、そうだ!」と思いもよらないアイデアが瞬間的に思い浮かぶ。
「あ、そうか!」とずっと考えてきた問題がパッと解ける。

 「どうして、そのアイデアが浮かんだのか?」と聞かれると、うまく答えられないけれど、なぜかピンと来る。そんなちょっと不思議で、かすかな驚きを伴う体験を、僕たちは日々繰り返しています。

 たとえば、行き詰まった会議の空気を変えるような冗談を思いつく。これも、ひらめき。もしくは、料理でいつも使わない食材が意外に合いそう、と使ってみる。これも、ひらめきです。

 これらは、小さなひらめきですが、脳内で起こっている現象そのものは、ニュートンが万有引力を発見した瞬間の”超特大のひらめき”と大差ありません。

 僕たちの脳内には、千数百億個とも言われる神経細胞(ニューロン)が複雑に絡み合った神経細胞網(ニューラルネットワーク)が存在します。その神経細胞網が、ほんの0.5秒ほどの間に一気に活性化して、過去に脳内に蓄積されてはいたけど、それまでにつながりのなかった記憶(情報)同士が結びつく。この新たな結びつきが脳にとって新鮮な刺激となって、神経伝達物質であるドーパミンが放出されるのです。

 ドーパミンとは報酬系の神経伝達物質。これが放出されることによって、脳は「快感」という報酬を与えられます。だから、ひらめきは気持ちがいい。そのように、僕たちの脳はできているのです。

 この快感は、皆さんも経験があるはずです。
「ああ、そうか!」「わかったぞ!」と膝を打つときの感覚。とても強くて深い快感ではないでしょうか?

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林要(はやし・かなめ) [GROOVE X代表取締役]

林 要(はやし・かなめ) 1973 年愛知県生まれ。東京都立科学技術大学(現・首都大学東京)に進学し、航空部で「ものづくり」と「空を飛ぶこと」に魅せられる。当時、躍進めざましいソフトバンクの採用試験を受けるも不採用。 東京都立科学技術大学大学院修士課程修了後トヨタに入社し、同社初のスーパーカー「レクサスLFA」の開発プロジェクトを経て、トヨタF1 の開発スタッフに抜擢され渡欧。「ゼロイチ」のアイデアでチームの入賞に貢献する。帰国後、トヨタ本社で量販車開発のマネジメントを担当した際に、社内の多様な部門間の調整をしながら、プロジェクトを前に進めるリーダーシップの重要性を痛感。そのころスタートした孫正義氏の後継者育成機関である「ソフトバンクアカデミア」に参加し、孫氏自身からリーダーシップをたたき込まれる。 その後、孫氏の「人と心を通わせる人型ロボットを普及させる」という強い信念に共感。2012 年、人型ロボットの市販化というゼロイチに挑戦すべくソフトバンクに入社、開発リーダーとして活躍。開発したPepper は、2015 年6 月に一般発売されると毎月1000 台が即完売する人気を博し、ロボットブームの発端となった。 同年9 月、独立のためにソフトバンクを退社。同年11 月にロボット・ベンチャー「GROOVE X」を設立。新世代の家庭向けロボットを実現するため、新たなゼロイチへの挑戦を開始した。


トヨタとソフトバンクで鍛えた「0」から「1」を生み出す思考法・ゼロイチ

「0」から 「1」を生み出す力を日本企業は失っているのではないか? そんな指摘が盛んにされています。一方、多くのビジネスパーソンが、「ゼロイチを実現したい が、どうしたらいいのか?」と悩んでいらっしゃいます。そこで、トヨタで数々のゼロイチにかかわった後、孫正義氏から誘われて「Pepper」の開発リー ダーを務めた林要さんに、『ゼロイチ』という書籍をまとめていただきました。その一部をご紹介しながら、「会社のなかで“新しいコト”を実現するために意 識すべきエッセンス」を考えてまいります。

「トヨタとソフトバンクで鍛えた「0」から「1」を生み出す思考法・ゼロイチ」

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