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経済分析の哲人が斬る!市場トピックの深層

英EU離脱による通貨戦争で最大の被害者は日本だ

高田 創 [みずほ総合研究所 常務執行役員調査本部長/チーフエコノミスト]
【第212回】 2016年7月13日
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Brexitは究極のポンド安誘導
日本以外は居心地よい「円の独歩高」

 年初来、急速な円高が進み、6月は100円台前半にまで達し円売り為替介入論も生じた。さらに、6月後半には英のEU離脱(Brexit)で一時100円割れの円高となった。筆者が円ドルの為替市場について長らくストーリーラインとしてきたのは、「達磨さんが転んだ」に例え、市場のトレンド転換は常に「鬼」である米国サイドに因るとした(4月20日付け本コラム参照)。

 2月以降、実際に「達磨さんが転んだ」として米国の為替政策はドル安に転じたとした。しかも、今回Brexitが加わり、円の独歩高になった。今回のBrexitは事実上、究極のポンド安誘導の通貨戦争の様相を呈している。そのなかで、日本は通貨戦争の敗者になり、皮肉にもBrexitで最大の被害者は距離的には最も遠い極東の日本になった可能性がある。

 本論での問題意識は、こうした円の独歩高環境を、日本以外の国々は「居心地よい」と思っている可能性が強いことにある。

 下の図表1は主要5通貨の為替動向である。

◆図表1 主要5通貨の為替動向

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高田創 [みずほ総合研究所 常務執行役員調査本部長/チーフエコノミスト]

たかた はじめ/1958年生まれ。82年3月東京大学経済学部卒業、同年4月日本興業銀行入行、86年オックスフォード大学修士課程修了(開発経済学)、93年審査部、97年興銀証券投資戦略部、2000年みずほ証券市場営業グループ投資戦略部長、06年市場調査本部統括部長、チーフストラテジスト、08年グローバル・リサーチ本部金融市場調査部長、チーフストラテジスト、11年より現職。『銀行の戦略転換』『国債暴落』『金融市場の勝者』『金融社会主義』など著書も多い。


経済分析の哲人が斬る!市場トピックの深層

リーマンショック後の大不況から立ち直りつつあった日本経済の行く手には、再び暗雲が立ち込めている。留まることを知らない円高やデフレによる「景気腰折れ不安」など、市場に溢れるトピックには、悲観的なものが多い。しかし、そんなときだからこそ、政府や企業は、巷に溢れる情報の裏側にある「真実」を知り、戦略を立てていくことが必要だ。経済分析の第一人者である熊野英生、高田創、森田京平(50音順)の4人が、独自の視点から市場トピックの深層を斬る。

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