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カイゼン!思考力

数学的には正しい?――数学的帰納法の誤用

嶋田 毅 [グロービス 出版局長兼編集長、GLOBIS.JP編集顧問]
【第17回】 2010年10月1日
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陥りがちな思考の罠に迫る「カイゼン!思考力」。今回は、数学的帰納法の誤用を取り上げる。

――問題です

 以下の議論の問題点は何でしょうか

A氏「我が社は1兆円の売上げを誇る大企業だ。利益も1000億円以上ある。しかし、今後とも無駄なコストは1円たりとも使うつもりはない」

B氏「でも、それじゃ従業員も息が詰まりますよ」

A氏「いや、経営とはそういうものだ」

B氏「ではこう考えてください。Aさんの会社の利益は1000億円を超えます。そこで1円くらいのコストが余分にかかっても、相変わらず1000億円以上の莫大な利益が残ります」

A氏「まあ、それはそうだ」

B氏「莫大な利益から1円を引いても莫大な利益は残るというわけです。そしてその残りから1円を引いても相変わらず莫大な利益だ。つまり、少々の額にこだわるのは無意味と思いませんか?」

A氏「しかし、君の理屈で言うと、1円ずつ引き続けていくと、利益はどんどん減っていってしまう。しまいには、莫大な利益とは言い難くなるんじゃないのか?」

B氏「…」

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嶋田 毅 [グロービス 出版局長兼編集長、GLOBIS.JP編集顧問]

東京大学大学院理学系研究科修士課程修了。戦略系コンサルティングファーム、外資系メーカーを経てグロービスに入社、主に出版、カリキュラム設計、コンテンツ開発、ライセンシングなどを担当する。現在は出版、情報発信を担当。累計120万部を超えるベストセラー「グロービスMBAシリーズ」や、「グロービスの実感するMBAシリーズ」のプロデューサーも務める。
グロービス経営大学院や企業研修においてビジネスプラン、事業創造、管理会計、定量分析、経営戦略、マーケティングなどの講師も務める。また、オンライン経営情報誌 GLOBIS.JPなどで、さまざまな情報発信活動を行っている。


カイゼン!思考力

ビジネスパーソンが日常生活やビジネスの現場で陥りがちな思考の罠。そんな罠になぜ人ははまってしまうのか――。その謎と罠に陥らない方法に迫ります。

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