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『うつ』のち、晴れ 鬱からの再生ストーリー

「ツレがうつになりまして。」著者に聞く。
夫婦力があればドン底も怖くない!

~ 細川貂々(ほそかわ・てんてん)さん夫婦の場合【後編】~

西川敦子 [フリーライター]
【第14回】

「その後のツレがうつになりまして。」(幻冬舎刊)・作者の細川貂々さんとツレさん およそ3年にわたる夫(ツレ)の闘病生活を描いた漫画、「ツレがうつになりまして。」「その後のツレがうつになりまして。」(幻冬舎刊)。作者の細川貂々さんとツレさんは、まさに2人3脚でうつを乗り越えた。会社を退職し、病状が一進一退を繰り返していたどん底の時期をどう脱したのか。病気を通し、夫婦の関係はどう変わったのか――2人に聞いてみた。

「うつ日記」でわかった
自分の回復

――退職後の病状はいかがでしたか?

ツレさん:いきなり悪化して、びっくりしました。会社を辞めたらすぐよくなるもの、と2人とも思い込んでいたので。1日中、布団から起き上がれませんでした。意識が朦朧としていて、高熱が出ているときのような感じ。でも、問題はその後だった。

貂々さん:1ヵ月ぐらいして起き上がれるようになってから、やたらと落ち込むようになった。くだらないことで、ぐちぐちぐちぐち。もともと愚痴を言う人ではなかったのですが。

――ご主人の性格が変わってしまったことに、たじろがなかったんですか?

貂々さん:たじろぎましたけど、その一方で面白がっている自分もいました。もともと人間観察が好きなものですから。だから、ふだんとは正反対の人間になっている彼を見て、「人ってこんなにも変わるのか」と感心したりして(笑)。

ツレさん:その後も病状は一進一退という感じで、波がありました。悪化したときは自分自身に裏切られたようで、ほんとうにつらかった。しまいに「僕なんていないほうがみんな幸せなんだ」なんて自分に同情して泣いたりして。安っぽい小説の主人公になったような心境ですね。後から思うと非常に恥ずかしいんですけど。

貂々さん:見ているほうもつらかったです。でも、母親から「励ましちゃいけないそうよ」と言われていたので、「頑張れ」とは言わないようにしていました。

ツレさん:「客観的に見て、状況はこうこうだから悩む必要はない」なんてことも絶対言わなかった。そのかわり、「変なことばかり言っていてすごく面白いから、絶対記録しておけ」って(笑)。

ツレさん:それでブログを立ち上げたのですが、書き込みの中には、自分にとってしんどいコメントもあって。しかたなく、ブログはやめ、ノートに日記を書くようになりました。そのうち、同じことを何度も書いている自分に気づいた。しかも長い目で見ると、少しずつだけど病気が快方に向かっているのがわかる。あるとき僕が「前より悪くなっている」と言い張ったら、彼女が「日記を読んでごらんよ、絶対よくなっているから」と。読んだらその通りでした。

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西川敦子 [フリーライター]

1967年生まれ。上智大学外国語学部卒業。編集プロダクション勤務を経て、独立。週刊ダイヤモンド、人事関連雑誌、女性誌などで、メンタルヘルスや介護、医療、格差問題、独立・起業などをテーマに取材、執筆を続ける。西川氏の連載「『うつ』のち、晴れ」「働く男女の『取扱説明書』」「『婚迷時代』の男たち」は、ダイヤモンド・オンラインで人気連載に。


『うつ』のち、晴れ 鬱からの再生ストーリー

うつをきっかけに、生き方や働き方を見つめ直した人々にフォーカス!うつに負けない、うつを乗り越えるための知恵と活力を探っていく。

「『うつ』のち、晴れ 鬱からの再生ストーリー」

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