ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
金融市場異論百出

元王朝もフランスも経済大混乱
歴史に学ぶヘリコプターマネー

加藤 出 [東短リサーチ代表取締役社長]
2016年7月27日
著者・コラム紹介バックナンバー
1
nextpage

 海外の投資家は「ヘリコプターマネー」政策を日本政府・日本銀行が採用するのではないかと関心を持っている。菅義偉官房長官と黒田東彦日銀総裁は否定的発言をしているが、話題はくすぶり続けている。

300年以上前に、広義のヘリコプターマネー政策を実施したジョン・ロー。その後には金融の混乱状態だけが残されたという Photo:Roger-Viollet/アフロ

 この政策は論者によって定義が異なるが、日本で現在話題になっているのは次のようなものだろう。政府がゼロ金利の永久国債を大規模に発行し、日銀がそれを引き受ける、または、日銀がこれまで市場から買った国債をそれと交換するというアイディアだ。日銀が永久国債を保有すれば、政府はそれに関しては返済義務がなくなる。

 ただし、実現には日銀が政府から国債を直接引き受けることを禁止している、財政法第5条を修正する必要があるだろう。その法改正への着手には、現時点ではさすがに政府も慎重と思われる。

 実は人類の歴史において、ヘリコプターマネーと似たような政策は数多く実施されてきた。政府が財政赤字を埋めるために、金や銀の含有量を減らす通貨改鋳を実施したり、政府紙幣を発行したりすることは、広義のヘリコプターマネー政策といえる。

 それらの大半は歯止めが利かなくなり、経済は混乱した。江戸時代に徳川幕府もそういった失敗を何度か犯している。

1
nextpage

今週の週刊ダイヤモンド

2017年1月28日号 定価710円(税込)

特集 劇変世界を解く 新地政学

世界史の大転換が始まる

【特集2】
銀行界も戦々恐々
コンビニATM戦争

【下記のサイトからご購入いただけます】

(ストアによって販売開始のタイミングが異なるため、お取扱いがない場合がございます)

【下記のサイトからご購入いただけます】

(ストアによって販売開始のタイミングが異なるため、お取扱いがない場合がございます)

【下記のサイトからご購読いただけます】

(ストアによって販売開始のタイミングが異なるため、お取扱いがない場合がございます)

スペシャル・インフォメーションPR
クチコミ・コメント

DOL PREMIUM

PR
【デジタル変革の現場】

企業のデジタル変革
最先端レポート

先進企業が取り組むデジタル・トランスフォーメーションと、それを支えるITとは。

経営戦略最新記事» トップページを見る

最新ビジネスニュース

Reuters

注目のトピックスPR

話題の記事


金融市場異論百出

株、為替のように金融市場が大きく動くことは多くないが、金利の動向は重要だ。日本を代表する日銀ウォッチャーが金融政策の動向を分析、金融政策の動向を予測する。

「金融市場異論百出」

⇒バックナンバー一覧