経営×ソーシャル
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【第6回】 2016年8月2日
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武田 隆 [クオン株式会社 代表取締役]

森永乳業の「本当に効く広告」、鍵はコミュニティにあり

「QON DAY 2016」で登壇する、森永乳業マーケティングコミュニケーション部長 寺田文明さん

企業がインターネット上のコミュニティを運営すると、どんなことが起こるのか。そうした実例を多数紹介する大規模なセミナー「QON DAY 2016」が、消費者コミュニティの先駆者であるクオン株式会社主催で開催され、当日は754名もの参加者が集まった。今回はそのなかでも、誰もが目にしたことのある日用消費財企業のケースを紹介する。森永乳業株式会社 マーケティングコミュニケーション部長 寺田文明氏のセッションでは、コミュニティによる消費者の意識ベースの変化だけでなく、実際の購買行動の変化にまで踏み込んで分析・調査をおこなった結果が紹介された。

お客様と直接対話するのが、
最高の広告である

寺田文明(てらだ・ふみあき)さん
森永乳業株式会社マーケティングコミュニケーション部長。1984年森永乳業入社、東京多摩工場、研究所、製品開発部、米国駐在、総務部秘書室、営業本部室を経て、2008年5月より広告部に異動。現在は、飲料、ヨーグルト、冷菓、チーズ等、広告コミュニケーション活動全般に携わる。
※2016年6月1日より広告部からマーケティングコミュニケーション部に改称

 森永乳業は、牛乳や乳製品、アイスクリーム、飲料などの食品の製造・販売をする会社です。牛乳やヨーグルトなどの森永ブランドの他、チルドカップコーヒーの「マウントレーニア」やアイスの「ピノ」なども森永乳業のブランドです。チーズの「クラフト」、紅茶の「リプトン」などでは、世界の有名ブランドとも提携しています。赤ちゃんのミルクから高齢者向けの高たんぱく質食品まで、まさに「ゆりかごからシニアまで」をサポートする商品を作っています。

 私は2008年から広告部の所属となり、さまざまな商品のマーケティングに携わってきました。その経験から「知覚品質レベルでの差別化は難しい」と痛感しています。私たちがどんなに「このヨーグルトは菌がほかとは違って……」と言ったところで、お客様にはあまり違いを感じていただけていない。私たちの商品はあくまでも選択肢の一つです。だからこそ、お客様視点の情報発信が必要ですし、商品のことを好きになってもらう前に、企業自体が「自分たちのことを考えてくれる企業」として愛されることも必要です。そのためには、お客様と対話をする姿勢を忘れてはなりません。そして、購買などのお客様の行動を引き出すには、感情を動かすメッセージ発信が必要だと考えるようになりました。

 広告の仕事に就いて3年ほど経った頃、いろいろな経験やあるきっかけによる気付きから、私は「究極の広告とは、個対個の対話である」という結論にたどり着きました。これは、入社時に観た近江商人の商いの心を描いた『てんびんの詩』という映画の感覚に近いものかもしれません。

 コミュニケーションは感情を伴ったメッセージ(Message with Emotion)にするべきであるし、メッセージ発信はお客様視点で考えるべきである。私自身がお客様全員に感情を込めて商品のことを語れるなら、それが最高の広告となるはずです。しかし、計算すると1人5分話すとしても4000年かかります(笑)。ですから、個対個の対話に近づくよう、「代理」するものが必要になってくる。そこで、いま注目しているのが消費者コミュニティです。個対個のエッセンスを残しながら、規模を増幅できる仕組みであるからです。

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武田 隆(たけだ・たかし) [クオン株式会社 代表取締役]

日本大学芸術学部にてメディア美学者武邑光裕氏に師事。1996年、学生ベンチャーとして起業。クライアント企業各社との数年に及ぶ共同実験を経て、ソーシャルメディアをマーケティングに活用する「消費者コミュニティ」の理論と手法を開発。その理論の中核には「心あたたまる関係と経済効果の融合」がある。システムの完成に合わせ、2000年同研究所を株式会社化。その後、自らの足で2000社の企業を回る。花王、カゴメ、ベネッセなど業界トップの会社から評価を得て、累計300社のマーケティングを支援。ソーシャルメディア構築市場トップシェア (矢野経済研究所調べ)。2015年、ベルリン支局、大阪支局開設。著書『ソーシャルメディア進化論』は松岡正剛の日本最大級の書評サイト「千夜千冊」にも取り上げられ、第6刷のロングセラーに。JFN(FM)系列ラジオ番組「企業の遺伝子」の司会進行役を務める。1974年生まれ。海浜幕張出身。


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ソーシャルメディアを上手く活用して、お客さまの声を聞きたい、自社のファンを増やしたい。そうしたニーズを持つ企業は少なくない。これまでエイベック研究所のソリューションを通して、自社や自社ブランドのファンづくりに成功してきた企業の事例を通して、これからの時代のコミュニティづくりの方法を探る。

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