>>(上)より続く
――カウンセラーのような役割も担われている。
あとで「あの時は気が動転して強硬に出てしまったけれど、本当は別れたくなかった」とか「本当はこうしたかったのに」などとトラブルになることもありますし、調査報告を踏まえて自分がどうしたいのか、一旦冷静に考えて、次の段階に進むことが本人のためにも一番いいですから。
「大げさにしたくない」という依頼人に対しては「(妻の)友人が『○○で、あなたを見た』と言っているけど…」などと、あえて夫に“逃げ道”を作り、「マズイ!バレたかな?」と思わせる“忠告の仕方”をアドバイスしたりすることもあります。
――ところで、他人の携帯を見て得た情報に証拠能力はないですよね。
ええ。メールやSNSの文章などは実際、誰がどのような意図で書いたものなのか、確証がありません。言い訳もできます。なので、浮気調査の場合は、得た情報をもとに実際に相手を尾行して、写真を撮影することが証拠になります。
尾行は3~4人で行う
妻が変装して行うことも
――尾行はいかにも探偵の本領発揮という感じですが、何人で行うのですか。
浮気調査の場合、3~4人が一般的です。男性と女性とを混ぜるとカップルを装えて便利です。たまにどうしても自分で尾行したいとおっしゃる女性がいたりします。たいていはやめるように説得します。
――バレるからですか。
それもありますが、例えば、夫が浮気相手の女性とホテルに入ってしまうのを見たら冷静でいられなくて、阻止しようと周囲を巻き込んでトラブルになってしまうことがあるんです。
どうしても尾行したいという人には、服はもとより、バッグや靴も含めて、上から下まで一式友人のものを借りるように薦めます。この服は夫が知らない、といってもやはり服の趣味から本人だとわかってしまうので。
実は、尾行をうまくやり遂げた人を後で探偵としてスカウトしたこともあるんですよ(笑)。