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サラリーマン年収5.5%減で考える生活防衛手段

山崎 元 [経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員]
【第152回】 2010年10月20日
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衝撃の5.5%減

 民間勤労者の所得の実態を調べて、国税庁が9月に発表した「民間給与実態調査統計」によると、昨年12月末時点での民間給与所得者の平均年収は、前年から24万円(千円単位四捨五入。以下同じ)減って、406万円だった。調査開始以来、幅も率も最大の下落だという。

 5.5%減とは衝撃的だ。昨年12月末時点で消費者物価は対前年比-1.3%だったからこれを差し引くとしても、実質-4.2%もの大幅悪化だ。この種のデータについては、「実感」があるとか無いとか、感じ方に関する曖昧な話になることが多いが、これだけ大きな下落だと、多くの勤労者は生活条件が「実感として」悪化したと感じているだろう。

 昨年は、リーマンショック後の金融危機の影響を最大に反映している時期なので、今年も同じくらいのインパクトで悪化することはないだろう。しかし、完全失業率は昨年12月の5.2%に対して、今年の8月で5.1%とほとんど改善していない。先般、日銀が日銀としては異例ずくめの「包括緩和」に踏み切ったことからも想像できるように(内容的に異例であっても、規模とスピードの不十分さは「日銀的」だが)、今後、再び景気が悪化するリスクもある。

 事態がここまで酷くなると「生活防衛」という単語が頭に浮かんでくる。所得環境にこれだけの悪化が明白で、且つ今後にもリスクがあるとなると、サラリーマン皆がこれまでと同じ生活という訳には行かないだろう。とはいえ、具体的に何をしたらいいのか分からないのが、大方の読者の率直な心境ではないだろうか。

 今回は、「生活防衛」のための具体的な手段について考えてみたい。

女性の稼ぎの厳しい現実

 生活の経済的条件を改善するにはどうしたらいいだろうか。

 アプローチの仕方として定石は、収入支出の費目の大きな部分から考えることだ。厳密には、個々の項目の金額の大きさではなくて、変化の余地の大きさが問題だが、何ならば大きく変えることが出来るかが分からない場合が多いのではないだろうか。個人差もあるが、一般的に影響の大きそうな項目から考えてみよう。

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山崎 元 [経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員]

58年北海道生まれ。81年東京大学経済学部卒。三菱商事、野村投信、住友信託銀行、メリルリンチ証券、山一證券、UFJ総研など12社を経て、現在、楽天証券経済研究所客員研究員、マイベンチマーク代表取締役。


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