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経済分析の哲人が斬る!市場トピックの深層

通貨戦争が明暗を分けた米株の割高・日本株の割安

高田 創 [みずほ総合研究所 常務執行役員調査本部長/チーフエコノミスト]
2016年8月10日
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米株は史上最高値圏だが割高

 米国の株式市場は2016年半ば以降、史上最高値を更新する堅調な水準となった。ダウ平均は史上最高値が続き、米国株式市場への安心感が高まっている。その背景には、夏場になって再び米国経済への楽観的意識が再び生じたことがある。

 一方、英国のEU離脱等も含め国際的な金融市場の不安底性からFRBの緩和的スタンスが予想以上に続くとの見方も生じた。すなわち、米国経済回復と金融緩和の「良いとこどり」状況でもある。

 米国を含め世界的に金利低下が続くなか、図表1に示されるように、債券の利回りから株式の配当利回りを引いたイールドスプレッドは低下基調にあり、債券対比で株式の割高感が台頭していないことも高値を支えている。かたや、株価のバリュエーションの指標となる予想PERは18倍を超え、明らかに割高感が生じている。従って、今後の企業決算の状況によっては米国では株価の調整も生じうる。

◆図表1 米国の株式市場の予想PERとイールドスプレッド推移

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高田創 [みずほ総合研究所 常務執行役員調査本部長/チーフエコノミスト]

たかた はじめ/1958年生まれ。82年3月東京大学経済学部卒業、同年4月日本興業銀行入行、86年オックスフォード大学修士課程修了(開発経済学)、93年審査部、97年興銀証券投資戦略部、2000年みずほ証券市場営業グループ投資戦略部長、06年市場調査本部統括部長、チーフストラテジスト、08年グローバル・リサーチ本部金融市場調査部長、チーフストラテジスト、11年より現職。『銀行の戦略転換』『国債暴落』『金融市場の勝者』『金融社会主義』など著書も多い。


経済分析の哲人が斬る!市場トピックの深層

リーマンショック後の大不況から立ち直りつつあった日本経済の行く手には、再び暗雲が立ち込めている。留まることを知らない円高やデフレによる「景気腰折れ不安」など、市場に溢れるトピックには、悲観的なものが多い。しかし、そんなときだからこそ、政府や企業は、巷に溢れる情報の裏側にある「真実」を知り、戦略を立てていくことが必要だ。経済分析の第一人者である熊野英生、高田創、森田京平(50音順)の4人が、独自の視点から市場トピックの深層を斬る。

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