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なぜか不思議と部下がついてくる上司のルール
【第5回】 2016年8月16日
著者・コラム紹介バックナンバー
寺松 輝彦

マンネリ化した部下が自ら動く
目標設定のしかたとは?

提案を募ったり、改善委員会を立ち上げたりしても、部下がマンネリ化して何も動きがないことに悩む上司は多い。このマンネリ化は上司が任務や手順まで示すことで打破できる。

部下のマンネリ化は、任務と手順を示さない上司にも責任があった!

 「部下の動きがマンネリ化して、工場の改善提案が進まない……」と悩む工場長の山本猛さん(仮名)から相談を受けました。

 山本さんの工場では小さな事故やミスが増え、経営幹部は危機意識を持っていました。小さな事故は大事故につながります。社長からは大事故を未然に防ぐためにも職場の作業の見直しなど安全管理委員会で改善活動を徹底するように要望がありました。

 山本さんは総責任者で、安全管理委員会の責任者は、山本さんの部下で製造チーフの細井雄介(仮名)さんでした。

 委員会への作業見直し徹底の要望から3ヵ月も経つのに、小さな事故が減るどころか、増えている状況でした。委員会の活動はやっていましたが、責任者の細井チーフからはこれまでと同じ安全管理項目の徹底が報告されるだけで、代わり映えがしません。

 要は活動がマンネリ化しているのです。山本さんは、どのように委員会の動きを活性化させていくか、どのようにマンネリを打破するかを悩んでいたのでした。

 このマンネリ化の問題は、工場の現場だけではなく、営業でもサービスでも、すべての職場において存在して上司の悩みのタネとなっています。ある運送会社は、配送物品の誤配が無くならないし、配送品の接触損壊など、なかなかゼロにならないという悩みがあり、誤配や損壊ゼロ運動がマンネリ化していました。

 ところが、別の運送会社で、このマンネリ化問題の解決に成功した会社がありました。その方法は無事故の目標を示すことでした。事故ゼロが3ヵ月続き、事故が発生したとき改めて次は4ヵ月ゼロをめざそうと目標を示したのです。同じ発想で「誤配や損壊ゼロを〇〇ヵ月更新」という目標も示していました。

 ここで重要なことがあります。目標を示すだけではなく、任務や手順を示すことです。

任務と手順を示すことで
事故を減らすことができた

 話を山本さんの工場に戻します。

 細井チーフは責任感を強く持っていましたが、委員会のメンバーや作業現場の責任者へは任務を示していなかったのです。

 わたしの「目標を示すだけではなく、任務や手順を示すこと」というアドバイスを理解した山本工場長は、細井チーフに安全管理に関して委員のだれがどんな任務を担当するか示すようにさせました。

 ある委員は事故原因の究明と対策を、別の委員は事故頻度の多い職場や作業員の教育を、というようにやるべきことを一人ひとりの委員に任務としてはっきりさせて割り振りました。

 この結果、動きが活発になり、具体的に作業の見直しが進み、事故やミスが減ってきたのです。

 手順をはっきり示すことも安全作業に寄与しました。それまでも作業手順はマニュアル化されていました。しかし、それを守らない者もいました。面倒だ、じゃまくさい、効率が落ちるなど勝手な理由です。

マニュアルが周知徹底していない手順もありました。間違った手順で作業を進めている者もいました。古いままの手順が新しく導入した機械や製造工程に不適合なこともありました。もっと効率的な手順や安全作業に適した手順に変えた方がよいものもありました。こうした問題点も改善され、ミスや事故が減っていったのです。

示すべきことをしっかり考え、具体的に示していけばマンネリ化は打破できます。部下に、「事故原因がどこにあるかを探るのが任務ですよ、責任を持ってやりなさい」と、明確に示せば部下には大きな使命感が生まれます。

繰り返し示していくことで部下に意識の変化が生まれ行動も変化してきます。

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