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ウォルマートが大型買収でアマゾン対抗
今度は成功するか

瀧口範子 [ジャーナリスト]
【第401回】 2016年8月12日
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創業からたった3年の会社を
3300億円で買収

「ジェット・ドットコム」(jet.com)は、日用品や家庭用品のECサイト

 ウォルマートがEコマース・サイトのジェット・ドットコム(Jet.com)を33億ドル(約3300億円)で買収することが話題になっている。33億ドルは、ウォルマートの買収額としては最大のもので、しかもジェット・ドットコムが2015年にサービスを開始したばかりの会社であることを考えると、目が飛び出るような巨額買収だ。

 ジェット・ドットコムの創業は2013年。バルク・ショッピングと呼ばれる、食品や日用品を卸売り価格で大量に買えることが売りだ。ちょうどコストコのような品揃えで、小袋のポテトチップ30個を17ドル、500ミリリットルのミネラルウォーター24本入りが5ドル20セント、といったような買物ができる。

 ウォルマートは、世界28ヵ国に1万1500以上の店舗を構え、毎週2億6000万人の客を迎える。従業員の総数は何と2300万人もいるという世界最大の小売りチェーンだ。

 だが、今でも路面店としては勢力を誇っているものの、ウォルマートは、15年前から手掛けているオンラインショッピングではアマゾンの影に隠れ、存在感がない。2015年のオンライン売り上げは137億ドルで、これは総売上4820億ドルの3%。アマゾンがオンラインで出す990億ドルの売り上げとは、あまりにもかけ離れているうえ、5期連続で成長を鈍化させている。

 ウォルマートは、シリコンバレーにEコマースのための拠点を設けるなどして努力してきたが、その甲斐もないという低迷状況に陥っていた。今回の買収は、その弱体ぶりを撤回しようとするものだ。

 ウォルマートにとってジェット・ドットコム買収の利点はいくつかある。ひとつは、その客。ウォルマートがつかみ損ねてきた都市部のミレニウム世代が、ジェット・ドットコムの中核の客層だ。

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瀧口範子 [ジャーナリスト]

シリコンバレー在住。著書に『行動主義: レム・コールハース ドキュメント』『にほんの建築家: 伊東豊雄観察記』(共にTOTO出版)。7月に『なぜシリコンバレーではゴミを分別しないのか?世界一IQが高い町の「壁なし」思考習慣』(プレジデント)を刊行。


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