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アマゾンが大学内に荷物受取所を
続々開設する狙い

瀧口範子 [ジャーナリスト]
【第392回】 2016年6月3日
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大学の寮に届く荷物の
半分はアマゾンからという事情

(写真上下とも)カリフォルニア大学バークレー校のキャンパスストアの様子。オレンジのアマゾンカラーを基調にしたすっきりとオープンな印象 Photo by Noriko Takiguchi

 アマゾンが「キャンパスストア」を増やしている。

 キャンパスストアとは、大学生が注文した荷物の受け取りを簡便にするために、アマゾンが大学と提携してキャンパス内に作っているストアーで、正式には「キャンパス・ピックアップ・ポイント」と呼ばれている。

 実際には受け取りだけではなく、返却の手続きをしたり、キンドルを触ってみたりできる場所になっており、アメリカ国内ですでに6校に設けられている。

 パーデュー大学、マサチューセッツ大学アムハースト校、シンシナティ大学、ペンシルバニア大学、カリフォルニア大学サンタ・バーバラ校、カリフォルニア大学バークレー校などで、近々カリフォルニア大学デイビス校でもオープンする予定だ。

 これらの大学はアマゾンと提携しており、アマゾンのサイト内に大学のページが設けられて、学生向けの商品が探しやすくなっていたり、指定の教科書がリストアップされていたりする。

 キャンパスストアでの受け取りは、これらのサイトから注文した商品に適用され、プライム会員の一種として設けられている学生向け会員であれば、さらに無料の翌日配達などの特典が加わる。親や近隣住民がこのサイトから注文しても、キャンパスストアでの受け取りは可能なようだ。

 受け取りには暗号をもらってロッカーの中の荷物を取り出す方法と、カウンターで受け取る方法の二通りがある。

 キャンパスストアが増えている背景には、大学生がアマゾンの配達を頻繁に利用していることがある。たとえばペンシルバニア大学の寮では、これまで郵便室に届けられる荷物の半分近くがアマゾンからのものだったという。注文商品の返却は学生でなくとも利用でき、近隣の住民がやってくることもある。

 そのうちの1つ、4ヵ月前に作られたというカリフォルニア大学バークレー校のキャンパスストアに行ってみた。学生の出入りの多い学生会館の1階に設けられており、おしゃれなカフェの隣にあるかなり広いスペースだ。

 壁の一面にはロッカーが複数作られており、その先にカウンターがある。空間の中央にはソファセットが置かれていて、アマゾンのビデオ・ストリーミングの視聴体験ができる。「体験」と言っても、カウンター以外には店員が不在なので、ここで映画やゲームを心ゆくまで楽しむこともできるだろう。また、キンドルがいくつか置かれており、使い勝手を試してみることもできる。

 インテリアは、どこの大学でも共通しているようで、木目の壁に白いロッカー、白い天井が施され、そこにアマゾンカラーのオレンジの濃淡がちりばめられている。全体にすっきりとオープンな今風のデザインだ。

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瀧口範子 [ジャーナリスト]

シリコンバレー在住。著書に『行動主義: レム・コールハース ドキュメント』『にほんの建築家: 伊東豊雄観察記』(共にTOTO出版)。7月に『なぜシリコンバレーではゴミを分別しないのか?世界一IQが高い町の「壁なし」思考習慣』(プレジデント)を刊行。


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