クレジットカードの取扱高において、前年同期比20%超の成長を見せている楽天カード。業界全体の取扱高の伸びが5~8%程度に留まる中、何がその成長力の源泉となっているのか、経営トップに聞いた。(聞き手/「週刊ダイヤモンド」編集部 鈴木崇久)
――クレジットカードの取扱高が大きく伸び続けています。
1954年7月生まれ。大東文化大学法学部卒業。1980年4月、オリックス・クレジットに入社し、2003年12月には楽天に入社。09年4月より現職。16年3月からは、楽天代表取締役副会長と金融事業担当役員を務め、楽天グループ全体のフィンテック事業を指揮する。Photo by Takahisa Suzuki
これまでずっと、取扱高を伸ばすことに集中してきました。会員数ではなく、まずボリュームで業界トップになろうと。これが一番重要だと、社内でずっと言い続けました。
2015年末時点でその取扱高が4.2兆円まできて、今年に入ってからも順調にきています。
自社で発行したカードの取扱高について公表数字を見れば、クレディセゾン(4.3兆円)とはほぼ肩を並べたし、業界トップの三菱UFJニコスは5.3兆円。トップと1兆円の差にまで詰めてきました。
さらに、楽天カードは4兆円という規模がありながら、前年同期比で2割もの成長を続けています。それも、毎年連続して拡大できている。
これはすごいことで、他社も数字を伸ばしてくると思いますが、成長率の差を考えれば、取扱高のボリュームにおいて業界ナンバーワンというのは見えてきました。
次は利益のボリュームで業界トップになれるかどうかが勝負のポイントかもしれません。
――その利益については、どのような状況ですか。