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岸博幸のクリエイティブ国富論

戦後最大規模の歳出削減を断行する
英国の気概から日本が学ぶべき本当の教訓

岸 博幸 [慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科教授]
【第112回】 2010年10月29日
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 10月20日に英国のオズボーン財務相が、財政赤字削減のための「包括的歳出見直し」を発表しました。この歳出削減策はいろいろな意味で非常に示唆に富むものであり、日本が学ぶべき大事な教訓を示しているように思います。

英国の歳出削減策の凄まじい内容

 この英国の歳出削減策は、ある意味凄まじい内容となっています。簡単に列挙すると、2015年までに、
●10.6兆円の財政赤字を削減することとし、そのために各省庁の予算を平均で19%削減する
●192の特殊法人を廃止する
●公的部門600万人中49万人の人員を削減する
と明記されています。

 しかし、まず注目すべきはこの大胆な内容よりも、歳出削減策の策定過程です。この抜本的な歳出削減策は、わずか3ヶ月という短期間で策定されました。オズボーン財務相が各閣僚と協議を続けて仕上げたようです。

 そして、各省庁の予算の中の無駄遣い(コーヒー代、プリンターのインク代など)として7700億円が削減の対象になっていますが、こうした無駄遣いは民間の企業家に調査を依頼して調べ上げたようです。

 閣僚主導のトップダウンで集中的に検討し、民間人の専門家の力も借りて、3ヶ月でこれだけの成果を作り上げたという事実は、高く評価すべきでしょう。

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岸 博幸 [慶應義塾大学大学院メディアデザイン研究科教授]

1986年通商産業省(現経済産業省)入省。1992年コロンビア大学ビジネススクールでMBAを取得後、通産省に復職。内閣官房IT担当室などを経て竹中平蔵大臣の秘書官に就任。不良債権処理、郵政民営化、通信・放送改革など構造改革の立案・実行に関わる。2004年から慶応大学助教授を兼任。2006年、経産省退職。2007年から現職。現在はエイベックス・マーケティング株式会社取締役、エイベックス・グループ・ホールディングス株式会社顧問も務める。

 


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