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山崎元のマネー経済の歩き方

完治しない投信販売の“病”

山崎 元 [経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員]
【第151回】 2010年11月1日
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 投信販売をめぐるトラブルが増えているという。10月18日付「朝日新聞」の記事を読み、「まだやっているのか」と呆れたが、意外感はなかった。

 1998年から銀行窓口での投信販売が始まって、今後は「回転売買」をやめて、「残高営業」が主流になるといわれ、投信販売が改善したかに見えた時期があった。しかし、銀行が投信に導入しやすい顧客にひととおり当たり終えると、既存顧客のファンド乗り換えで稼ごうとするのは当然のことだ。

 ファンドを買わせると少なからぬ手数料が入り、セールスマンは数字で評価され、目標数字(実質的な「ノルマ」)と支店の計画に追われるのだから、ビジネスの構造は証券会社となんら変わらない。

 記事によると、公募株式投信を顧客が保有する平均期間は、今年の8月時点で2年11ヵ月と、なんと昨年より7ヵ月も短いという。2008年は4年7ヵ月だったから、急速に短縮化している。

 トラブルの対象として多いのは、案の定、高齢者だ。大手銀行が1700万円の定期預金を持っていた認知症の女性(82歳)に1000万円の投信を買わせて、約4割が損失になったとして訴訟になっている例もある。後の損は意図的なものではないとしても、銀行員が手数料分の振り込め詐欺をやっているのと大差ない。

 今後、高齢者が増えて、同時に資産は高齢者に偏在しているから、高齢者を投信セールスからいかに守るかが大きな課題になる。だが、改善させることは容易ではない。

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山崎 元 [経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員]

58年北海道生まれ。81年東京大学経済学部卒。三菱商事、野村投信、住友信託銀行、メリルリンチ証券、山一證券、UFJ総研など12社を経て、現在、楽天証券経済研究所客員研究員、マイベンチマーク代表取締役。


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