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野口悠紀雄 人口減少の経済学

貯蓄率の変化が経済パフォーマンスに与える影響

野口悠紀雄 [早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問]
【第4回】 2010年11月5日
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 前回前々回に述べたことをまとめると、つぎのとおりだ。

(1)支出に対するスペンディング・ウエイブ(支出予測の波)の存在は、あまりはっきりしない。とくに、団塊ジュニア世代は、2000年以降の期間において、住宅投資の増加をもたらさなかったようだ。

(2)国民経済計算における家計貯蓄率は、1981年の18%超から2008年の2.3%まで、顕著に下落した。ただし、これは、計算基準改定の影響も大きい。その半面で、家計調査ベースの家計貯蓄率(「黒字率」)は、下落はしているものの、国民経済計算の家計貯蓄率ほどの下落は示していない。

(3)高齢者ほどリスク資産需要が高まるかどうかは、判然としない。しかし、高齢者ほど資産の保有額が増えることは間違いない。

人口高齢化と家計の黒字率

 上の(2)で述べた家計調査ベースの貯蓄率(黒字率)をもう一度取り上げよう。

 この時系列的な推移は、【図表1】に示すとおりである。98年までは上昇していることに注意が必要だ。国民経済計算ベースの家計貯蓄率がこの間低下を続けていたのとは異なる傾向だ(注1)。ただし、98年以降は、黒字率も下落に転じている。

 では、家計黒字率の変化は、人口の年齢構成の変化とどのような関係があるのだろうか?

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野口悠紀雄 [早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問]

1940年東京生まれ。63年東京大学工学部卒業、64年大蔵省入省、72年エール大学Ph.D.(経済学博士号)を取得。一橋大学教授、東京大学教授、スタンフォード大学客員教授、早稲田大学大学院ファイナンス研究科教授などを経て、2011年4月より早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問、一橋大学名誉教授。専攻はファイナンス理論、日本経済論。主な著書に『情報の経済理論』『財政危機の構造』『バブルの経済学』『「超」整理法』『金融緩和で日本は破綻する』『虚構のアベノミクス』『期待バブル崩壊』等、最新刊に『仮想通貨革命』がある。野口悠紀雄ホームページ

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野口悠紀雄 人口減少の経済学

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