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野口悠紀雄 人口減少の経済学

国債費を賄うための国債発行は問題視しなくてもよい

野口悠紀雄 [早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問]
【第20回】 2011年3月4日
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 現在の日本の財政支出の大部分は、移転支出である。ここで、移転支出の意味について説明しよう。

 財政支出のうち、財・サービスの購入になるものは、国民経済計算上、「政府最終消費支出」か「公的固定資本形成」として把握される。例えば、公務員給与は政府が公務員の労働サービスを購入するものであるから、政府最終消費とされる。公共事業は、政府が鉄やコンクリートを購入して社会資本に投資するものであり、公的固定資本形成とされる(この他に、政府企業による「公的在庫品増加」もある)。これら以外の経費は、広義の移転支出だ。

政府の財貨サービス購入の対GDP比は
30年間ほとんど不変

 しばしば、「小さな政府か、大きな政府か」が議論される。ここで問題とされているのは、政府による財・サービスの購入である。これは市場メカニズムによらない経済活動であるため、効率性が損なわれる可能性があると指摘されるわけだ。

 例えば、民間企業であれば、過剰な人員を抱えれば人件費が増えて利潤を圧迫するから、必要ない人員を抱えることはないだろう。しかし、公務員を雇う場合は、そのような利潤計算は行なわれない。したがって、必要とされる以上の公務員が雇われる可能性がある。公共事業についても、事態は同じだ。車が通らない山間地に高規格の道路を建設するなどの、無駄な投資が行なわれる可能性がある。

 実際のデータを見ると、【図表1】のとおりである。

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野口悠紀雄 [早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問]

1940年東京生まれ。63年東京大学工学部卒業、64年大蔵省入省、72年エール大学Ph.D.(経済学博士号)を取得。一橋大学教授、東京大学教授、スタンフォード大学客員教授、早稲田大学大学院ファイナンス研究科教授などを経て、2011年4月より早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問、一橋大学名誉教授。専攻はファイナンス理論、日本経済論。主な著書に『情報の経済理論』『財政危機の構造』『バブルの経済学』『「超」整理法』『金融緩和で日本は破綻する』『虚構のアベノミクス』『期待バブル崩壊』等、最新刊に『仮想通貨革命』がある。野口悠紀雄ホームページ

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