さらに、「会社設立に必要な資本金の500万円は、患者が用意できなくても、あたかも持っているかのよう見せる“見せ金”として用意する業者がいる。あくまで見せ金だから、業者は一時的に貸し付けて、ビザが発給された段階で回収して次の患者に回す。そうしたことを繰り返し、何人もの中国人を来日させている」と明かす。

 この関係者によれば、「がんや肝炎など高額治療の患者を集めて斡旋、ツアーを組む業者までわんさかいる。もちろん、日本の行政書士などとグルになってやっている」という。

 入国制度の盲点を突き、中国人が日本の健康保険を使って高額ながん治療を行っているというわけで、前出の医師が語るように「日本人にしわ寄せが及んでいる」形だ。

生活保護を受給し
1円も払わないケースも

 それだけではない。国民健康保険の加入者が海外で医療費を支払った場合、一部を加入者に返す「海外療養費支給制度」という制度がある。海外でけがをした、病気にかかったといった場合、帰国後に申請すれば療養費の一部が返還されるというものだ。

 この制度を、国民健康保険に加入している中国人が悪用し、中国に一時帰国した際に入院したかのように装って虚偽の申請を行い、療養費をだまし取ったりするケースが後を絶たないのだ。これまで、大阪府警などが詐欺容疑で摘発したりしているものの、「海外の病院に確認を取るのも大変だし、現地の医師とグルになられると虚偽の証明が容易ではない。だから摘発されたのはあくまで氷山の一角だ」と、事情に詳しい関係者は明かす。

 さらには、「一円も払わずがん治療を受ける中国人もいる」(別のがん専門病院の医師)という。この医師は、「中国残留孤児が呼び寄せた中国国籍の家族が生活保護を受け、高額のがん治療を受けている。その数は決して少なくない」と明かす。生活保護受給者なので医療費はタダ。国民健康保険に加入する必要もないので、完全な “タダ乗り”をしているというわけだ。

 もちろん、きちんと医療費を支払って治療している中国人も少なくなく、不正を働いているのは一部であろう。だが、複数の医師は、「現場では、決して無視できないほどの人数が治療に訪れている」と危機感を強める。

 今や国民医療費は40兆円を突破し、日本の財政は危機的な状況にある。しかも、健康保険の原資は日本人が納めているお金だ。それを“食い物”にされている状況は看過できないだろう。