たった1枚の手紙で高額商品を売る営業マン。たった数枚のプレゼン資料で多額の投資を引き出すビジネスパーソン。誰もが憧れながら、「才能がなければできない……」とあきらめてはないだろうか?
しかし、孫正義氏から一発OKを連発した伝説的プレゼンテーターで、ベストセラー『社内プレゼンの資料作成術』著者の前田鎌利氏と、神田昌典氏から「今後100年歴史に刻まれる名著」と評された『最強のコピーライティングバイブル』著者で、プロフェショナル・コピーライターの横田伊佐男氏は、「“型”を覚えれば誰でもできる」と断言する。
11月2日に満を持して開催される「ダイヤモンド社プレミアム白熱講座 “100%一発説得”最高のプレゼン術×最強のコピー術」の講師2人が、その“型”について語り尽くす。(構成:前田浩弥)

たった1枚の手紙で<br />なぜ、1000万円の<br />アウディが売れるのか?

どうして
「アウディを年間4億円売るエース営業マンの手紙」は、
大反響だったのか?

たった1枚の手紙で<br />なぜ、1000万円の<br />アウディが売れるのか?横田 伊佐男(Isao Yokota)
CRMダイレクト株式会社代表取締役。東京都生まれ。横浜国立大学大学院博士課程前期経営学(MBA)修了。シティグループ、ベネッセグループにて、一貫してマーケティングに従事。約6000商品のプロモーション経験、大手企業100社超のコンサルティング経験を体系化し、2008年に独立。「使えなきゃ意味がない」を信条に、使えて成果につながる戦略立案を徹底的にたたき込む日本唯一のプロフェッショナル・マーケティングコーチ。企業や受講者の課題点をすばやく摘出し、短時間で確実な成果へと引き上げる「超訳力」を駆使したマーケティング研修講座は、上場企業ホールディングス、政府系金融機関、欧州トップの外資系金融企業、意欲ある中小企業経営者等からの依頼が絶えず、これまでの受講者はのべ2万人を数える。ダイレクトマーケティングフェア、CRMカンファレンスなど講演多数。著書に、『最強のコピーライティングバイブル』(ダイヤモンド社)、『一流の人はなぜ、A3ノートを使うのか?』(学研パブリッシング)、『ケースブック 価値共創とマーケティング論』(分担執筆、同文舘出版)がある。2016年10月から横浜国立大学非常勤講師(国際マーケティング論)。横浜国立大学成長戦略研究センター研究員。

ーー横田さんがリリースした「アウディを年間4億円売るエース営業マンの手紙」というダイヤモンド書籍オンライン記事は11万PVに迫る大きな反響を生みました。
 この記事は、「1枚のセールスレターだけで高級車のアウディを購入してしまった」という横田さんの実体験に基づいた記事ですね。
 手紙1枚でアウディって、相当な金額だと思うんですが……。これ、本当なんですか?(笑)

横田伊佐男さん(以下、横田) ウソ偽りございません(笑)。
 この手紙は、私が『最強のコピーライティングバイブル』を執筆するときに、古い事例ではなく現代の事例で、マーケティングの定説とされている「説得の6フレーム」を使っている事例はないかと探し回ったときに、思い出したものです。
 よく考えたら、まさに僕自身が心を動かされて、悪い言葉ですけど「カモ」にされているこの手紙が、「説得の6フレーム」でつくられていたのです。
 アウディは高いもので1000万円ほど、安いものでも500万円くらいの、とても高額な車です。
それを僕は、1年に1回会うかどうかのセールスマンからの、たった1枚の手紙で買っていたんですね。
 それに気づいて、セールスマンに
「成績はどうなんですか?」
 と聞いたら、
「おかげさまで、一番販売させていただいております」
 とおっしゃる。
「どれほど売られているんですか?」
 とさらに聞くと、
「年間75台、4億円です」と。
 私のように、手紙に心を動かされて買う人が、ほかにいっぱいいらっしゃるんですね。