パナソニックの大坪文雄会長が6月末の総会で辞任することが報じられた。引責辞任とのことである。大坪会長が社長を勤めた期間(2006年から2012年まで)とパナソニックの業績を対比してみると次の通りになる。

若い世代は大胆な雇用調整も厭わず<br />それよりも日本企業のグローバル化を望む

 同様に、業績の悪化しているシャープとソニーについても、社長の在任期間と業績の推移を重ね合わせてみると次の通りになる。シャープの片山幹雄会長は、2007年から2012年まで社長を務めた。その間のシャープの業績は次の通り推移した。

若い世代は大胆な雇用調整も厭わず<br />それよりも日本企業のグローバル化を望む

 ソニーのハワード・ストリンガー取締役会議長は、2005年から2012年まで社長を務めた。その間のソニーの業績は次の通り推移した。

若い世代は大胆な雇用調整も厭わず<br />それよりも日本企業のグローバル化を望む

 シャープの片山幹雄会長は、昨年の総会で業績悪化の責任を取って代表権のない会長に就任した。ソニーのストリンガー取締役会議長は、会長就任の意向を示したそうだが、取締役会が反対して、会長には就任させずに、取締役会議長に就かせたという。それに対し、大坪会長は現在に至るまで代表権のある会長として君臨していた。3社の中ではパナソニックがガバナンスがもっとも不徹底であった。

 3人の経営者に共通するのは、外部の競争相手の変化を見てこなかったように思われることだ。この期間に海外のエレクトロニクス業界ではものすごい変化が起きていた。こうした変化に対応せずに、社長であり続けたことに重大なガバナンスの問題があると思う。筆者は前社長の弁解も推測しながら経営の問題点を掘り起こして行きたいと思う。