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ワークス研究所の労働市場最前線

内なるグローバル化の現実
4人の例から考える日本企業に必要な条件とは

石原直子 [リクルートワークス研究所主任研究員]
【第30回】 2012年3月22日
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日本本社に高度外国人を
増やさなければいけない!?

 「人材のグローバル化」は、いま、多くの日本企業の必須課題だ。一言に「人材のグローバル化」と言ってもいろいろあるが、今回は「内なるグローバル化」、とりわけ「日本の本社で外国人と働く」という現象について考えてみたい。

 政財界が作成する報告書や提言書では、日本企業が、海外の現地法人のみならず日本国内においても、高度な能力を有した外国人(高度外国人材)を活用できるようにすることが、喫緊の課題であるかのように言われている。実際に、企業に対する意識調査で、国内で高度外国人材を活用したいという意向がないわけではない。

 しかしながら、日本の企業が高度外国人材を活用できているのか、今後本気でその数を増やすつもりがあるのか、また、どのような職務やポジションで活用していく予定なのか、といった細かい論点を見ていくと、どの企業でも、はかばかしい回答が得られない。

 たとえば下のグラフは、日本生産性本部が2011年に実施した調査をもとに作成したものだ。2009年から2011年にかけて企業における新卒外国人採用は0人のまま変わっていない企業が60%強であり、1人以上採用した企業も目立って増加してはいない。中途採用の外国人は採用0の企業は60%前後から67%に増えており、外国人活用はむしろ後退しているかのように見える。

 要するに、総論は賛成だけれども、各論では課題が多すぎて現状が追いつかないというのが、「高度外国人材を国内で活用する」という命題に対する、日本企業のいまのところの回答なのだ。

 とはいえ、多くの企業で、少しずつではあるが、優秀な外国人を活用する動きは始まっている。本稿では、日本の(大)企業で働いている高度外国人材といわれる方々の実際の声を紹介しながら、日本企業が、国内における外国人の活用を今後、推進していくつもりならば何をしなくてはいけないのかを考察したい。

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石原直子 [リクルートワークス研究所主任研究員]

(いしはらなおこ)慶應義塾大学法学部を卒業後、都市銀行、コンサルティング会社を経て、2001年7月にリクルートに入社し、ワークス研究所勤務となる。2003年から2007年までリクルート人事部を兼任し、関連企業の人事企画やダイバーシティ推進など、理論と実践の融合に取り組んだ経験も持つ。


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超就職氷河期、非正規社員の比率の高まり、社内教育制度の限界など日本の労働市場は、大きな転換期にある。労働市場の研究所として名高いリクルート社のワークス研究所の研究員が、就職、転職、キャリアパス、制度問題など、労働市場を360度の視点から縦横に分析する。

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