中国に進出することで、安い労働力というメリットを享受してきた日本企業。近年では、人件費高騰によってかつてよりそのメリットは縮小する傾向にありますが、一方でGDP世界第2位の大国へと発展したことで、中国は今、マーケットとしての魅力を増しています。そうしたことからも、製造業のみならず、小売り、サービス業を生業にする日本企業の中国進出も当たり前の時代になりました。ですから、このコラムを読んでいるあなた自身も中国で仕事をする可能性は決してゼロではないのです。
そこで今回は、自身も中国留学&就職経験を持ち、数百人の中国での就職をサポートしてきたという、『これで迷わない!中国で学ぶ・働く「全ガイド」』の著者で、株式会社インテリジェンスのグローバル推進室コンサルタント・石黒裕美さんに「中国で働くために重要なこと」を伺いました。
実際に、中国で働くことになった場合、私たち日本人はどのようなギャップに遭遇することになるでしょうか。また、どんな日本人であれば、現地の人ともうまくやっていけるのでしょうか。
中国に住んで働いて驚いた
7つのカルチャーショック
――石黒さんはご自身も中国留学&就職したという経験をお持ちですが、実際に住んでみたり、仕事をするうえで驚いたことはありますか?
実際に中国に住み、働いてみて、プライベート面と仕事面で驚いたことがありました。大きく分けると以下の7つでしょうか。
(1)「交渉」と「確認」の重要性
中国は「交渉」の世界です。家賃、買い物、給与ですらダメ元で交渉する場面に出くわします。中国人は退職をちらつかせながら給与など条件交渉をするというのも良くある話です。
また、買い物でも住居探しでも、失敗せずに良い物を手にするためには、自己責任で徹底的な確認をすることも必要だと痛感しました。