債権国通貨の円は景気悪化や株価下落とともに上昇する傾向から「避難通貨」とされる。しかし2月下旬、経済悪化ニュースで株安となるなか、円は対ドル90円前後から99円台まで下落した。

 市場ではそれまで80円、70円へと円高が進むかの見込みが少なくなかった。新たなリスク投資が細るなか、円は数少ない方向性ある買い物であった。そのぶん、投機筋は円を買い持ちし(図1参照)、逆に日本の投資家や企業はヘッジ目的のドル売りを増やした。

くさってもドル、くさったからこそドル