「経営学の父」と呼ばれるドラッカーは、代表作である大著『マネジメント』をはじめ、数々の作品を世に遺した。その作品は、世界各国で読み継がれているが、とりわけ日本での人気は高い。なぜ、日本人はドラッカーが好きなのか、そしてどんなドラッカー作品が好きなのか?

 ダイヤモンド社は、ドラッカーの全著作を初めて網羅した『P.F.ドラッカー完全ブックガイド』(上田惇生著、2012年5月)の刊行を記念して、この6月から8月までの3ヵ月間、「Myドラッカーキャンペーン2012」を開催しました。

大勢のドラッカーファンの方々から寄せられた回答から
見えてきたドラッカー人気の秘密とは? 

一番好きなドラッカー作品は何ですか?
結果
1.経営者の条件
2.マネジメント:課題、責任、実践
3.プロフェッショナルの条件
4.マネジメント[エッセンシャル版]
5.現代の経営

 第1位の『経営者の条件』は、2位以下を大きく引き離して、ぶっちぎりの人気でした。ビジネスパーソンからの圧倒的な支持を得て、「本書によって仕事に対する取り組み方が変わった」という意見を多数いただきました。さらに、「仕事だけでなく、自分の生き方そのものが変わった」という声もいただいています。この、人の「生き方」に大きな影響を与えずにはおかない、人の頭を強く刺激する言葉が、「働くすべての人」がドラッカー作品に魅了される理由なのかもしれません。

 イギリスのウィンストン・チャーチルも、首相に就任する前年の1939年、ドラッカーの処女作『「経済人」の終わり』をタイムズ紙上で評し、「ドラッカーは、独自の頭脳をもつだけでなく、人の思考を刺激してくれる書き手である」と言っています。「人の思考を刺激してくれる書き手」とは、まさにドラッカーの本質を見事にとらえています。