【第21回】 2008年02月20日
クリス・アージリス
マネジャー論の研究者

クリス・アージリスの経歴を見ると、マネジメントのグル(権威)というよりは正統的な学者のように思える。彼は研究人生のほとんどをアメリカのトップクラスの2つの学術機関で過ごしている。1950・1960年代にかけてはエール大学、それ以降はハーバード大学である。しかし、堅苦しい学者かといえばそうではない。彼はマネジメントや組織の問題に情熱的な関心を注いでおり、現代の最も尊敬されるマネジメント思想家の1人である。
アージリスは、数少ない特殊な「学俗両道」のマネジメント専門家の1人であり、学究的な世界と同じぐらいに生産現場や役員会議室といった俗世界の状況にも通じている。
アージリスはまず何よりも行動科学者であり、組織行動やマネジャーの学習の仕組みを解き明かした業績によってこの分野の先駆者となった。彼のスタイルはかなり独特である。彼は自分の仕事に線引きをしないよう心がけており、研究活動、教育活動、コンサルティングのそれぞれに同じウェイトを置いている。彼は、この3つは相互に関係があり、互いに役に立つと考えている。
人生と業績
クリス・アージリスは1923年に生まれ、若い頃から、人はどのように学習するのかという点に関心を持った。「子供っぽいかもしれないが、私は学ぶということそのものが大好きだ」と彼は言う。第2次世界大戦に出征したのち故郷に戻った彼は、当時の若者の多くと同じように、世界をもっと良くするために何かしたいと強く心に誓った。われわれにとって幸いなことに、彼は教育に対する自分の関心を、組織やそれに属する個人の問題に向ける道を選んだ。彼はこの仕事をするのに申し分のないエネルギーと並外れた学問的素養(心理学の学士号、経済学の修士号、組織行動論の博士号を取得)を持ち合わせており、1950年代の初めには、エール大学で教鞭を執り研究活動を行なっていた。
1960年代半ばにはエール大学の産業経営学教授となっていたが、1968年にハーバードビジネススクールへ移り、1971年に教育・組織行動論のジェームズ・ブライアント・コナント記念教授となった。
彼のコンサルタントの仕事は多岐にわたり、その影響力は絶大である。クライアントリストには、IBM、デュポン、シェル、アメリカ国務省やその他のアメリカ政府機関、および複数の外国政府が名を連ねている。
思想のポイント
仕事を豊かなものにすることに強い使命感を持っているアージリスは、テイラー流の極端な科学的経営管理の思想、特に、人間を雇うのではなく非人格的な「仕事をする手を雇う」という考え方に対し絶えず戦いを挑んでいる。
Special Topics
バックナンバー
Pick Up
新着トピックス
- 岸博幸のクリエイティブ国富論
- 米金融関係者が鳩山政権に抱く4つの懸念と違和感
- ツイッター+αのつぶやき企業戦略
- ツイッターで2500人の社員が顧客対応! 米ベストバイのカスタマーサービス革命
- 働き盛りのビジネスマンを襲う 本当に怖い病気
- 突然、妻を襲う原因不明の頭痛! 男性も他人事ではない更年期障害の実態
- 手打ち蕎麦屋のオーラを味わう
- 桜新町「しんとみ」――サザエさんの町でご近所さんに愛される絶品の蕎麦懐石
- 追跡!AtoZ ~いま一番知りたいテーマを追う!超リアルドキュメント
- 肥満=病気は、もう通用しない! 「皮下脂肪で病気を防ぐ」という、健康の新常識
- inside Enterprise
- 若者を狙うアサヒビールの新販売戦略は“氷点下ドライ”
- 経済ジャーナリスト 町田徹の“眼”
- NTTグループには大誤算? 原口総務相の経営形態見直し指示
- News&Analysis
- やはり“持ち直し局面”入りは確実? データと巷説に見る「住宅の本当の買い時」
ダイヤモンドオンラインplus 知っておきたい価値ある情報
最新の連載一覧
経済・時事
経営・戦略
スキル・キャリア
Diamond Premium 最新記事 無料会員登録すると全文が読めます
- 金融市場異論百出
- 「やり過ぎ」とブーイングを 浴びるFRB、正反対の日銀
- 週刊ダイヤモンド アーカイブズ
- クリス・アンダーソンとロングテール理論をおさらい!ネットが動かしたニッチ商品の驚くべき市場規模
- 『週刊ダイヤモンド』特別レポート
- 日本のテレビ業界が復活するには 「キー局の合従連衡」が待ったなし
- 山崎元のマネー経済の歩き方
- 成長のための資産運用の落とし穴
- 野口悠紀雄 未曾有の経済危機を読む
- デフレに関する典型的な3つの誤解 ──今こそ必要なデフレの経済学(4)
- 公認会計士・高田直芳 大不況に克つサバイバル経営戦略
- 不況と電子化が業績に直撃! キヤノン&リコーの来し方行く末

- 「測るための標準」を考える
- 紀元前2500年頃に造られたピラミッドの建築に当たっては、常に同じサイズの石を…

- DOL編集部のツイッターを開始
- 最新記事の話題から編集部の日常まで、24時間つぶやきます。フォローよろしくお願いします。
Business information
この連載について
世界のビジネス界に大きな影響を与えた、偉大な思想家たちの生い立ちと実績を紹介。ドラッカー、ポーター、レビット、ミンツバーグ、ベニス、大前研一ほか。
ドラッカー、ポーター、大前研一ほか地上最強の思想体系の数々が一冊に。卓越した思想により、世界のビジネス観に革命を起してきた偉大なビジネス・シンカーたちの生い立ちと、思想体系をコンパクトに凝縮。世界標準の知識と教養をこの一冊で。2940円(税込)
- DOLブックストアで購入
購入金額に関わらず送料無料! - Amazonで購入
アクセスランキング
- 1位
- エコカー大戦争!
- トヨタの電子制御問題に隠れた事実! アメリカ人特有のアクセルの踏み方
- 2位
- 辻広雅文 プリズム+one
- 富士通とトヨタに見る“日本的ガバナンス”の崩壊~なぜ取締役会は経営監督機能を果たせないのか
- 3位
- 日本人が知らないリアル中国ビジネス 江口征男
- 日本と同じ感覚では決して勝てない! 中国ビジネスで失敗しない“秘訣10ヵ条”
- 4位
- 今週のキーワード 真壁昭夫
- 日本はギリシャの二の舞になるのか? 戦後最大の「大赤字予算」の行方
- 5位
- はい上がれる人、はい上がれない人――「負け組社員」リベンジの十字路
- 「負け組御用達スナック」の恐るべき魔力! 過去の栄光話から抜け出せない常連客たち
Recommend 話題の記事
- News&Analysis
- 日本を逆転しても意識は“子ども”のまま? 中国が世界にバラまく「強欲社会主義」
- 田中秀征 政権ウォッチ
- 鳩山首相は度を越えた「偽善者」か? “上から目線”の政治が不信感を強める
- カツラーは今日も闘っているのだ!
- カメラは、カツラーの天敵である
- 「引きこもり」するオトナたち
- 成績優秀なのに仕事ができない “大人の発達障害”急増の真実
- 山崎元のマルチスコープ
- 上場企業は安定株主に甘えるな
- 辻広雅文 プリズム+one
- 富士通とトヨタに見る“日本的ガバナンス”の崩壊~なぜ取締役会は経営監督機能を果たせないのか
- エコカー大戦争!
- トヨタの電子制御問題に隠れた事実! アメリカ人特有のアクセルの踏み方
- 週刊ダイヤモンド『FREE』特集フリー素材集
- 週刊ダイヤモンド3月13日号 『FREE』特集のフリー素材集

- 【PrimeTime】トップインタビュー
- 「サービス力は人財力と組織力の掛け算」~百瀬次生・日立電子サービス社長

- 【THEProject】プロダクトとサービス最前線
- 現実味帯びる「IFRS」。最新会計基準対応処理システムを低コストで提供
雑誌定期購読のご案内
特大号・特別定価号を含め、1年間(50冊)市価概算34,500円が、定期購読サービスをご利用いただくと25,000円(送料込み)。9,500円、約13冊分お得です。さらに3年購読なら最大49%OFF。
1冊2,000円が、通常3年購読で1,333円(送料込み)。割引率約33%、およそ12冊分もお得です。
特集によっては、品切れも発生します。定期購読なら買い逃しがありません。
年間12冊を定期購読すると、市販価格8,400円が7,150円(税・送料込み)でお得です。お近くに書店がない場合、または売り切れ等による買い逃しがなく、発売日にお手元へ送料無料でお届けします。
※別冊・臨時増刊号は含みません。
偶数月の1日発売(隔月刊)。1年購読(6冊)すると、市販価格 5,880円→4,700円(税・送料込)で、20%の割引!
※別冊・臨時増刊号は含みません。
お知らせ・ご案内
- 会員専用ページ開始のお知らせ
- 7月より一部の記事で、無料会員登録した方だけが全文を読める形に変わりました。詳細はこちらをご覧ください。




