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大阪百貨店戦争ミナミで幕開け
続々増床で高まる共倒れ懸念

 3月2日、大阪・なんばの高島屋大阪店が、売り場面積を4割増やしてリニューアルオープンした。7~9階は高級料亭から一般飲食店まで35店が軒を並べ、大阪の百貨店で随一のレストラン街となった。5階は従来の高島屋には見られなかった若者向けの売り場。1~3階は得意とするラグジュアリーブランドを集積した。

 大阪では今後4年、百貨店の増床戦が続き、2014年には売り場面積が昨年の1.4倍となる。その第1幕がミナミで開けた。

「キタではどんどん開発が進んでいる。なんばの街の地盤沈下を防がなくてはならなかった」。増山裕・高島屋大阪店長は、増床に踏み切った理由をこう語る。

 関西最大の交通拠点でもある梅田地区(キタ)は、現在、開発ラッシュを迎えている。貨物駅跡地24ヘクタールという広大な土地では再開発が進み、JR大阪駅の真上には新北駅ビルが建設中でJR大阪三越伊勢丹が進出してくる。大阪地区の商業集積が一気にキタに進みかねない。

 ミナミの地盤沈下という危機感は、「なんば」を終着駅とする南海電気鉄道も同じで、高島屋の働きかけに応じた。

 高島屋大阪店は、本館と東館が分断され回遊性が悪かったため、450億円をかけて構造上の課題を解決した。これに合わせて、南海電鉄は駅舎を改築し、鉄道の主要出口の3階からスムーズに高島屋に入れるよう構造を変えた。3月11日には南海電鉄子会社が運営するショッピングセンターの「なんばパークス」が63店を入れ替えてリニューアルする。

大丸は心斎橋店で低コストモデルを推進

 さかのぼること3ヵ月前。心斎橋では、大丸が隣接するそごう心斎橋本店を379億円で買収し、心斎橋店「北館」としてオープンした。新しい百貨店モデルを構築して、主に二つの面で挑戦している。コスト構造改革と新マーケットの取り込みだ。

 大丸心斎橋店は北館が加わり売り場面積は2倍になったが、社員数はそのまま。北館は社員わずか85人で運営し、売り場での接客販売は極力テナントに任せる方針だ。百貨店というより専門店ビルに近く、少人数でのローコストオペレーション体制を取る。

 通常、百貨店の収益はアパレルメーカーが売った商品の25~35%。これを北館では10ポイントほど低く抑え、「今まで百貨店では取り扱いがなかったアパレルを導入した」(山本正好・大丸大阪心斎橋店長)。成功例が、地下1~2階の「うふふガールズ」。10~20歳代女性に人気の高い専門店ビルテナントを取り込み、販売価格3000円台など、百貨店にしては低価格衣料が並ぶ。2月26日には、地上1~2階に20~30歳代に人気の高いセレクトショップを集め衣替えした。大丸は中高年層の利用が多いが、心斎橋に多く集まる10~30歳代の取り込みを図った。

 課題は、3~6階の婦人服売り場。隣の本館との重複テナントも多く苦戦する。北館は年間売上高250億円の計画だが、現在は計画を下回る。秋には上層階を「うふふ」の男性版に変えて、特色を鮮明にする予定だ。

 高島屋も今回の大阪店増床では、バイヤーサイドが「10~20歳代を取り込むためには必要」と、社内外の抵抗を押し切って、5階に専門店ブランドを導入した。増床戦第1幕で、ニューマーケットの奪い合いが早くも生じつつある。

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