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改正薬事法施行で参入相次ぐ大衆薬市場

「餅は餅屋」──。物事にはそれぞれの専門家がいるという意味だ。しかし、こと薬の販売となれば話は別である。かつて薬を売るのは薬剤師だったが、6月1日に改正薬事法が施行され、規制緩和後は「登録販売者」がいれば、ほとんどの一般用医薬品を扱えるようになったからだ。これを商機と異業種からの参入が相次ぎ、新たなビジネスチャンスをものにしようと各社は躍起になっている。改正薬事法施行にまつわる動きをレポートする。(取材・文/サテライトスコープ・森本守人)

マツキヨ&ローソンの新業態

 「20年前、アメリカに住んでいたとき、よくウォルグリーンを利用していた。『日本にもこのような店があれば便利だろうな』と思っていた」。8月24日、マツモトキヨシホールディングス(千葉県/吉田雅司社長)との業務提携を発表したローソン(東京都)。記者会見の席で新浪剛史社長はこう声高に話した。提携の話を持ちかけたのはローソンだった。

 両者は、それぞれが持つプライベートブランド(PB)の相互供給、商品開発、仕入れ、さらに新業態の開発などで協力しあうことで合意した。その中、注目されるのは、ドラッグストア(DgS)ナンバーワンと、コンビニエンスストア(CVS)2位の企業による新業態だ。2009年中に合弁会社を設立し、200~300平方mの売場を持つ店を11年には500店まで拡大する。

 リリース資料によれば「医食同源」を切り口にした事業をめざすとある。たとえば、国内に2000万人以上いると言われる糖尿病患者らをターゲットに、低カロリーの弁当を品揃えする店。また、女性を主な顧客層にした新しい店の可能性も新浪社長は示唆した。

 薬の規制緩和をめぐり、流通業界では業態の垣根を越え、企業間のアライアンス、新業態の模索など活発な動きが見られる。マーケットの縮小、景気低迷が続く中、店頭売価ベースで約1兆2000億円とも言われる大衆薬市場は各社にとって大きな魅力と映っているようだ。

家電量販店でも薬が登場

 これまで薬の販売を独占してきたDgSにとって、最大の脅威と目されるのが全国に4万店以上の店舗網を持つCVSだ。物販だけでなく、公共料金収納代行サービス、宅配便の受付など、すでに社会のインフラとして機能している。生活圏のどこにでもある24時間営業の業態と薬との親和性は高い。

 ファミリーマート(東京都/上田準二社長)は昨秋、都内の直営2店に「ファミマドラッグ」コーナーを設け、一般用医薬品(OTC)の実験販売を始めた。取り扱い品目は風邪薬、鎮痛剤、目薬やマスクなど300アイテム。24時間営業も視野に入れ、6月以降は登録販売者が売場に立っている。

 セブン-イレブン・ジャパン(東京都/井阪隆一社長)も6月以降、CVSでは最も早く24時間営業で大衆薬の販売をスタートさせた。ローソンも、これまでに調剤併設店を展開するなど薬の販売に取り組む。

 食品スーパー(SM)は、低価格をウリにする戦略に出た。イオン(千葉県/岡田元也社長)は、ジャスコなど310店のドラッグ売場で扱う約300品目を10~20%値引き。イトーヨーカ堂(東京都/亀井淳社長)も、120店で200品目を10~20%安く販売した。

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