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吉田恒のデータが語る為替の法則

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米長期金利上昇が続く中、円安が進行。
この状況はいつまで続くのか?

 米長期金利上昇が続く中で、ドル/円もクロス円(ドル以外の通貨と円との通貨ペア)も上昇傾向が広がってきました。

 これは、この間私が書いてきたように、行き過ぎたリスク回避に伴う金利の下がり過ぎ(債券価格の上がり過ぎ)と円の買われ過ぎに修正が入っている結果ということでしょう(「逆張りの2月でいったん100円に戻すか? 100年に一度の危機で80円へ向かうか?」などを参照)。

 ではそれはまだ続くのでしょうか。私は続くと思います。

 行き過ぎたリスク回避、それを私はこの間、安全資産への資金の集まり過ぎ、「安全資産バブル」とも表現してきました。そんな安全資産の代表はやはり米国債でしょう。ですから、安全資産バブル修正の行方は、米国債の行方を考えることが基本になると思います。

 さてその米国債について、私はこの間、米10年国債利回り、つまり米長期金利で行き過ぎを点検してきました。

 下の2つのグラフは、米長期金利の長期5年移動平均線からのかい離率と、短期90日移動平均線からのかい離率を見たものです。ともに昨年末にかけて、空前の下がり過ぎ(債券価格は上がり過ぎ)になっていたことがわかると思います。

 このように、米長期金利は最近まで短期的にも長期的にも極端な下がり過ぎとなっていましたが、その修正が進んできたことがわかると思います。

 ただ長期と短期では、その行き過ぎ修正の度合いがかなり違います。長期的にはまだ米長期金利は下がり過ぎ領域にありますが、短期的にはほとんど中立な状態に戻ったようです。

 では、短期的な米長期金利下がり過ぎが修正されたら、金利の上昇は終わるかといえば、それは微妙ではないでしょうか。上述のように、米長期金利は長期的にはまだまだ下がり過ぎ領域にあるのですから、その中で短期的に金利が上がり過ぎに向かうということは決して珍しいものではありません。

10年前の日本でも
長期金利が暴騰した

 似たようなことが起こったのが10年前の日本でした。日本では1998年に金融危機が拡大、その中でリスク回避から安全資産へのシフトが拡大し、日本の長期金利も空前の下がり過ぎとなりました。

 ただ、98年末からその修正が入ると、一転して長期金利は暴騰。その中で、長期的にはなお下がり過ぎ領域だが、短期的には逆に空前の長期金利上がり過ぎという現象が起こったのです。

 金融危機がくすぶる中での、長期金利の空前の高騰は問題でした。このため、日銀は「異常な金利上昇」に歯止めをかけることを模索、その結果決まったのが当時先進国としては前代未聞のゼロ金利政策だったのです。

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著者プロフィール

吉田恒
(T&Cフィナンシャルリサーチ代表取締役社長)

立教大学文学部卒業後、自由経済社(現・T&Cフィナンシャルリサーチ)に入社。財務省、日銀のほかワシントン、ニューヨークなど内外にわたり幅広く取材活動を展開。2004年より同社代表取締役社長、T&Cホールディングス取締役。緻密なデータ分析に基づき、2007年8月のサブプライムショックによる急激な円高など、何度も大相場を的中させている。

この連載について

為替相場には法則がある! 数々の大相場を的中させてきた吉田恒が、豊富な過去データを分析して法則を導き出し、為替の先行きを予想します。

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