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吉田恒のデータが語る為替の法則

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投資の神様・バフェットの米ドル暴落論と
上海株急落をめぐる中国当局の裏事情

 今回は「投資の神様」W.バフェットの発言と、前回に続き、上海株について書いてみたいと思います(「中国株が『影の主役』から『表の主役』へ。これが上海発・円高の『カラクリ』だ!」参照)。

 先週(8月17日~)、一部でバフェットの発言が報道され、注目を集めました。彼は次のように言ったのです。

「金融システム救済のために投じられた巨額資金がドルを脅かす」

「大量の金融特効薬が引き続き投与されており、遠からず副作用が出てくるだろう」

 結論的にいうと、これは、足元で米ドル安の理由として理解されていることが「誤解」である可能性を示唆していると思います。

 最近では、米ドル安はリスク選好、米ドル高はリスク回避と説明されるのが一般的になっているようです。だから、株高だと米ドル安、株安だと米ドル高ということになります。

 これに対して、バフェットは、米ドル安が米国の経済政策の副作用の結果であるとの見方を示したのです。一般的な米ドル安への理解と、バフェット流解釈の違いがわかりますか?

 一般的な理解からすると、リスク回避=株安になったら米ドル高になるはずです。しかし、バフェット流解釈からすると、リスク選好・リスク回避と米ドルの動向は基本的に関係ないから、その結果、リスク回避=株安になっても米ドル高とはならないはずです。

 私は基本的に、バフェットの解釈と同じように考えています。だから、「リスク選好の米ドル安」は誤解されているのではないかと思っています。

 本当に「誤解」ということになったら、米ドル安が本格的に加速するのではないでしょうか?

バフェットは米ドル/円が
60円になると予想している?

 それでは、一般論の「誤解」が確認されて、米ドル安が本格化したならば、バフェットの考える「米ドルが脅かされる」は、どのようなイメージになるのでしょうか?

 バフェットは、「金融システム救済のために投じられた巨額資金」という言葉を使っています。そこでまず考えられるのは、空前規模に拡大している米国の財政赤字です。

ドル実効相場と財政収支(クリック拡大)

 有力な為替アナリストによると、米国の財政収支と米ドル相場には一定の相関性があり、米国の財政収支が約1年先行するのだそうです。

 上のグラフからすると、最近の米国の財政赤字拡大は、米ドル(実質実効相場)を今後3割以上も下落させる可能性を示唆しています。

 これを単純に米ドル/円に当てはめたら、60円まで米ドル安/円高が進む計算になってしまいます。


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著者プロフィール

吉田恒
(T&Cフィナンシャルリサーチ代表取締役社長)

立教大学文学部卒業後、自由経済社(現・T&Cフィナンシャルリサーチ)に入社。財務省、日銀のほかワシントン、ニューヨークなど内外にわたり幅広く取材活動を展開。2004年より同社代表取締役社長、T&Cホールディングス取締役。緻密なデータ分析に基づき、2007年8月のサブプライムショックによる急激な円高など、何度も大相場を的中させている。

この連載について

為替相場には法則がある! 数々の大相場を的中させてきた吉田恒が、豊富な過去データを分析して法則を導き出し、為替の先行きを予想します。

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