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吉田恒のデータが語る為替の法則

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中国が利上げすれば為替や株はどう動く?
ブラックマンデー後の日本にその答えあり

 米国発の金融市場クラッシュをきっかけに、一気に世界同時不況の様相が広がった。

 その混乱は意外にも短期的に収拾されるところとなったが、混乱の収拾に向けて慎重をきした世界経済は「その国」にアンカー役を期待し、低金利の長期化を求めた。そしていよいよ利上げに転換しようとした時、「その国」は資産バブルに見舞われていた――。

 さて、いつもと違った書き出しで始めてみましたが、あなたは上の文章中の「米国発の金融市場クラッシュ」を「リーマン・ショック」、「世界同時不況」を「100年に一度の危機」、そして「その国」を「中国」として読んだでしょうか?

 実は、私はこれについて1987年10月に起こった「ブラックマンデー」後の状況について書いたつもりだったのです。その意味では、「その国」とは「日本」ということになります。

 このように比べてみると、「ブラックマンデー後」と「リーマン・ショック後」は、結構似た構図だったことがわかります。

 では、「リーマン・ショック後」における中国の役割に似ている面のある「ブラックマンデー後」の日本ではその後どんなことが起こったでしょうか?

「ブラックマンデー後」の
日本では何が起こったか?

 世界同時不況が懸念される中、日本は世界経済のアンカー役を期待され、日本株が底入れ、反発となった後も低金利の維持が期待されました。

 そして、ようやく利上げに踏み切ったのは1989年5月でしたから、それはブラックマンデーが起こった1987年10月から数えて19カ月後のことでした。

 ただ、この時には、すでに日本国内での資産インフレ懸念がかなり強くなっていたため、最初の利上げは一気に0.75%もの大幅利上げとなりました。

 しかし、それでも株高は止まらず、むしろ大幅利上げでも株安にならないとなると、株高は「怖いもの知らず」で急加速に向かいました。

 利上げは株高のスピードを緩める役割といった意味では、自動車におけるブレーキのようなものだと思います。しかし、ブレーキを踏んでも車が止まらず、それどころか加速するというなら、その車は壊れているということでしょう。壊れた車が止まるのは自壊、クラッシュしかありません。

 日銀が利上げを行う中でも、逆噴射のように加速した日本の株高は、1989年12月末に日経平均4万円近くまで急騰したところから、一転暴落に向かいました。株式市場のクラッシュ、バブル破裂が起こったわけです。

 さて、そんな「ブラックマンデー後」の日本と、今回の「リーマン・ショック後」の中国は似た構図だという話でした。日本はブラックマンデーから19ヵ月後に利上げしたら、「遅過ぎる利上げ」で、その後バブルの歯止めに失敗し、バブル崩壊に見舞われました。

 2008年9月「リーマン・ショック」から19カ月目とは今年4月になりますが、中国も「遅過ぎる利上げ」でバブルの拡大、崩壊へ向かうのでしょうか?

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著者プロフィール

吉田恒
(T&Cフィナンシャルリサーチ代表取締役社長)

立教大学文学部卒業後、自由経済社(現・T&Cフィナンシャルリサーチ)に入社。財務省、日銀のほかワシントン、ニューヨークなど内外にわたり幅広く取材活動を展開。2004年より同社代表取締役社長、T&Cホールディングス取締役。緻密なデータ分析に基づき、2007年8月のサブプライムショックによる急激な円高など、何度も大相場を的中させている。

この連載について

為替相場には法則がある! 数々の大相場を的中させてきた吉田恒が、豊富な過去データを分析して法則を導き出し、為替の先行きを予想します。

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