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吉田恒のデータが語る為替の法則

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「悪材料トリオ」出現でも株高基調は続く。
リスク回避の米ドル高には限界がある!

 1月後半の半月の間に、NYダウは600ドル以上の大幅下落となりました。

 中国の金融引き締め、米オバマ大統領の金融規制案、ギリシャの財政悪化懸念の「悪材料トリオ」がきっかけとされ、為替は米ドル高に振れています。これについては、リスク回避の米ドル高という理解が多いようです。

 しかし、私は、株安へとトレンド転換したわけではないと思っています。だから、リスク回避の米ドル高には限界があると思っています。

 まずは株から考えてみましょう。

 米国をはじめとする世界の株式市場が、なぜ1月後半に急落したのかと言うと、それは、短期上がり過ぎの修正だったと私は思っています。

 短期の相場の行き過ぎについては、私が得意とする「オーバーシュート・アラート(OSA)」の中の90日移動平均線からのかい離率で見てみましょう。

 NYダウの90日移動平均線からのかい離率は、昨年秋にかけてプラス10%を上回っていました。これは、短期上がり過ぎの可能性があったことを示すものです。

 短期OSAのルールからすると、相場の行き過ぎの修正は、90日移動平均線を逆に振れるまで続くのが基本です。

 昨年秋以降、NYダウの同かい離率が90日移動平均線を完全に割り込むまでには至りませんでした。そして、この1月末にかけて、ようやく90日移動平均線割れとなったのです。

 これは、NYダウの短期上がり過ぎの修正が、遅らばせながら、この1月末にかけてようやく起こってきたという意味になります。

調整中のNYダウは
下押しても9200ドルあたりまでか?

 今回の米国株急落は短期上がり過ぎ修正の動きと考えられ、それ自体は90日移動平均線割れで、最低限の条件をクリアーしたことになります。

 それでは、ここから一転して、「下がり過ぎ」拡大に向かう可能性はあるでしょうか?

 上がり過ぎが、その反動で下がり過ぎに振れるという「振り子の法則」はありますが、しかし、短期OSAのルールからすると、それは中長期トレンドと逆行しないのが原則です(「ドル高・円安はまだ続くのか?それを確認するとっておきの方法」を参照)。

 つまり、中長期下落トレンドでない限りは、短期の下がり過ぎは起こらないでしょう。

 別の言い方をすると、90日移動平均線からのかい離率がマイナス10%以上には拡大しないということになります。

 NYダウは、昨年3月に底打ちした後、急反発に転じました。その意味では、中長期的には上昇トレンドが続いていると思います。

 そうであるなら、2月1日現在で10200ドル付近に位置している90日移動平均線を10%以上、下回ることはないから、単純計算すれば、9200ドル割れの可能性は低いという見通しが立てられます。

 以上、1月後半の株価急落は、短期上がり過ぎの修正で説明できるものであって、「悪材料トリオ」はそれが起こるきっかけになっただけで、上がり過ぎ修正自体はすでにヤマを超えつつあるといった見方ができるでしょう。

 ただ、本当にそう言えるのでしょうか?

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著者プロフィール

吉田恒
(T&Cフィナンシャルリサーチ代表取締役社長)

立教大学文学部卒業後、自由経済社(現・T&Cフィナンシャルリサーチ)に入社。財務省、日銀のほかワシントン、ニューヨークなど内外にわたり幅広く取材活動を展開。2004年より同社代表取締役社長、T&Cホールディングス取締役。緻密なデータ分析に基づき、2007年8月のサブプライムショックによる急激な円高など、何度も大相場を的中させている。

この連載について

為替相場には法則がある! 数々の大相場を的中させてきた吉田恒が、豊富な過去データを分析して法則を導き出し、為替の先行きを予想します。

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