民主党及び現政権は、日中関係の改善を本格的な軌道に乗せた点で高く評価できる。
ところが最近になって中国への傾斜が度を越して、対米追随ならぬ“対中追随”に転じようとしているのかと疑いたくなるようなことが少なくない。もっと毅然として対中外交を展開してほしい。
特に、小沢一郎幹事長と百数十名の民主党国会議員の訪中は感心しない。また中国の習近平国家副主席の天皇会見の特例措置も黙って見てはいられない。
恥ずかしい気持を禁じえない
小沢氏・議員団の訪中
小沢氏は中国の要人に会うなら1人で訪中すればよい。多くても数人でいく方が成果もあるしまた迫力もある。多勢の国会議員を連れていくならむしろ要人に会わなければよい。そうすれば力の誇示と受け取られることもないだろう。
中国の要人は、日本の政治家と握手をしたり、写真を撮ったりすることを大きなサービスと思っている節がある。写真を持ち帰って、それを後援会の機関紙などに大袈裟に掲載することも知っているようだ。
私は公的に必要な場合を除けば、写真撮影を極力避けてきた。相手の意向ならともかく、こちらから撮影を求めたことはない。
「写真を撮りますか」と聞かれれば、「ありがとう。またの機会に」と丁重に断った。
代表団と行くとどうしても握手や撮影に付き合うが、それを大々的に後援会報に載せるようなことはしなかった。多勢の人と握手する中国の要人の中には、目も見ずに1人1人と粗雑に握手をする人もいる。機械的に握手をするなら、しなければよいのにと腹が立つこともあった。こんなことに歓んでいると大事なものが少しずつ目減りしていくのではないかとも思った。
今回の小沢訪中団についても、何か恥ずかしい気持を禁じえない。これによって小沢氏や民主党議員の評価が高まるとは考えられない。むしろ逆ではないかと心配になる。
これが超党派の友好議員連盟や野党の代表団であれば話は別だ。今回は政権政党の幹事長であり議員団だから、今までのように軽く受け止めることはできない。その影響は国や国民にも及んでくる。