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株安で元本割れ続出は必至 リスク限定型投信の行方

 リスクが限定的で安全性が高いことを売りにしている投資信託で、元本割れが続出し、購入者からは「話が違う」との怒りの声が出始めている。

 「リスク限定型」と呼ばれるこの投信は、日経平均株価が一定の範囲内であれば元本が確保され、一定の分配金を受け取ることができるというもの。

 商品によって多少の違いはあるものの、(1)スタート時に日経平均を基に設定した「スタート株価」が1年ないしは1年半後の判定日に日経平均を上回った場合、(2)もし上回らなくても1年半のあいだ、日経平均があらかじめ定められた価格(ノックイン価格)まで下がらなければ、元本は確保されるといった仕組みになっている。

 このようにダブルでリスクテークしているため、リターンは大きくないもののリスクは小さく、安全性が高いとして銀行を中心に広く販売されてきた。

 ところがである。サブプライムローン問題に端を発し、昨夏から日経平均は下落の一途。3月にはついに1万2000円台まで割り込んでしまい、ノックイン価格を下回る商品が続出しているのだ。

 最も多いのが三菱東京UFJ銀行。2006年12月に販売された通称「デュアルバリア06-12」をはじめ、これまで6本の投信がノックイン価格を下回ってしまった。販売額は1730億円強だ。

 中央三井信託銀行も同様の商品を販売。これまで計8本、販売額にして約1570億円の投信がノックイン価格を下回っている。

 現時点では、2つの条件のうち後者に抵触しただけともいえるが、日経平均が「スタート株価」まで回復する望みは薄い。つまり前者の条件も満たされず、元本割れの可能性が非常に高まっているのだ。

 しかも、販売手法にも問題がありそうだ。金融関係者によれば、特に金融商品取引法施行前の段階で、「リスクに関する十分な説明をしていない営業マンが多かった」というのだ。

 購入者からは、「日経平均がそんなに下落するわけがなく、元本は確保されるという言葉を信じたのに」との不満も多く聞かれる。

 また、たとえ説明があったとしても、リスク限定型という商品の特性上、「投資初心者を中心に販売していた」(関係者)といい、顧客が理解したうえで購入していたか大いに疑問が残ると指摘する金融関係者は多い。

 こうした事態に陥り、購入者に連絡を入れて「元本割れのリスクもある」と呼びかけるなど、対策を講じる銀行も出始めている。

 確かにここまでの株安は想定外だったかもしれない。しかし前述の2行だけを見ても、1人当たりの購入額を仮に500万円とすると、6万6000人あまりが購入していることになり、今後、問題は広がっていく可能性が高い。

(『週刊ダイヤモンド』編集部 田島靖久)

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